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人が成長する瞬間が見たいから。サポートしていくことが喜び

「自分が主役になるのではなく、人が変化をする姿にモチベーションを感じる」という伊藤香奈さん(37)。昨年の3月に会社を辞め、フリーの講師としてセミナーを開催している。驚くのは、教えている内容が多岐に渡ること。ヨガインストラクター向けのノウハウ、サーフボードのようなボードを乗りこなすSUPのほか、ヨガ自体も教えている。派遣スタッフとして週4日働きながら、講師としても活躍している伊藤さん。その経緯や思いを伺った。

会社で経験したことが今につながっている

もともとヨガに興味があり、ヨガインストラクターの資格を取得していた。前職は、ヨガマットやラグなどを販売する会社で仕入れを担当していた。

「商品企画から工場の選定、発注計画、検品、品質管理と……仕入れ担当が私ひとりだったので、川上から川下までの業務を幅広く担当していました。並行して、会社では毎年ヨガフェスタに出店しており、イベントの企画運営や出演するヨガ講師のオーディションなども担当したんです。そこでたくさんの講師の方と出会って、その方たちを育成していくことに大きな可能性を感じました」

他にも、会社が注目したのはSUPヨガ。SUPとは、サーフボードのようなボードに立って乗り、パドルで漕いで海や川の上を進んでいくスポーツ。ボードの上でヨガをするのがSUPヨガで、商品開発のために、自分でも始めたのだという。

業務を通して得られたさまざまな経験を、ことごとくものにしていく伊藤さん。SUPにハマり鎌倉に引っ越し、さらには、ヨガインストラクターを教育することに目覚め、ヨガインストラクター専門の講師として独立することにした。

スキルを活かせる私らしい生き方

昨年の3月で会社を辞めて独立し、何もないところから講師業をスタート。収入のベースを底上げするため、週に4日間、専門性の高い派遣サービス「ZIP WORK」で働き始める。

「派遣の仕事が終わった後や、休みの日に講師として働いています。ヨガインストラクター向けのビジネスセミナーがメイン。集客は、こまめな告知やフォローなど楽ではありませんが、いろいろとトライしています。ほかに、SUPのインストラクターや、企業向けのヨガ講師、Webメディアのライターとしても活動していて、好きなことを全部仕事にしていると思っています」

息をつく暇もないが、ゆったりと楽しそうに話す伊藤さんには「頑張らなきゃ」という気負いやストレスは感じられない。

「正社員として責任を負っていた時は、自分が休むと業務が回らなくなってしまう危機感が常にありました。忙しいのもあって余裕がなくなり、人にきつく接してしまうことも。でも、ヨガイベントのオーディションで選んだ講師の方が、イベントをきっかけとして雑誌やテレビに出たり、ブランドのサポーターが付いたりしたのを目の当たりにして。私がサポートすることで、その人が成長し、変化していく姿を見るのは喜びでした」

自分が主役になるよりも、誰かを支えて押し上げていきたいという思い。それを実現できている今は本当に充実している。

生き方をチョイスできるから、不安がない

将来的には、結婚をして家庭を持ちたい。子どもができて自分の時間が減ったとしても、やりたいことを選択して自分でコントロールできるため、将来に不安がないのだという。たくさんの仕事を持っていることは、選択できるメリットのほかに、気持ちのバランスをとるのにも役立っている。

「それぞれお客様が異なり、その時に出す自分のパーソナリティも変わってきます。SUPなら、海の上なので大きな声を出して元気よく教えますが、ヨガインストラクター向けのセミナーは、会議室などでビジネスライクに教えます。一方でヨガを教えるときには、音楽を活用してリラックスした雰囲気を出します。自然と向き合うもの、精神的なもの、頭を使うものとバラバラなので、飽きることがありません」

それぞれの仲間にも恵まれ、応援もしてくれている。前職では人に厳しくしてしまう自分だったが、今はさまざまな顧客を受け入れ、自分の物差しで人を見ないよう心掛けているのだそう。

派遣の仕事も好きだが、今後はやはり、講師業を少しずつ増やしていきたい。仕事の幅を広げることで自分を磨き、自らの可能性も広げ続けていくのだろう。

毎日やること、持ち歩くもの、身に着けるもの

前職で扱っていた商品のヨガマットを使って、毎朝ヨガをしている。「やらないと気持ちが悪い」のだとか。インタビューの当日に持参してくれたのは、持ち運び用の薄いタイプ。これならビーチにも持っていける。

毎日持ち歩いているのは、デジカメと手帳。発信力も必要な講師にとって、Instagramは大切なツール。デジカメは毎日持ち歩き、夕日や海などを撮影している。さほど頻繁ではないがここぞという1枚をアップする。手帳は日々のスケジュール管理に活用。「毎日にらめっこして、スケジュールを立てたりToDoリストをチェックしています」という。

欠かさず身に着けるのはピアス。前職に就く前にアメリカに留学したことがあり、その際に韓国人の友達に「見えなきゃ意味がない」と言われてから、大きめのものを付けるようになったのだとか。

占いのカードも毎日の習慣で、夜に1枚引く。迷ったときに、占いのカードに書かれている言葉から考え方を改めたり、行動の指針にしているのだそう。また、顧客向けに占いのように使うことも。寝る前の大切なひと時だ。

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)
カメラマン:上澤 友香(うえさわ ゆか)