皆さんから寄せられた困りごとを解決する、らしく働くための相談室。回答者は『感情の問題地図』の著者であり、職場のメンタルヘルスについて研究されている関屋裕希さんです。今回は、チャットやオンライン会議で相手の反応がなかったとき「怒っている…?」と不安になる困りごと。そんなときに試したい行動とは。
チャットやメールなど、オンラインで相手の反応がないとき、怒っているのか不安に思う。反応しない人はだいたい決まっていて、どういう文章を送ればいいのか、気を遣って疲れる。(40代)
不安な気持ちは、膨らんでいきやすい
お悩みを送ってくださって、ありがとうございます!
チャットやメールのやりとりで相手から反応がなかったり、オンライン会議でカメラがOFFだったり、カメラONでもリアクションがないとき。「どんなふうに受け止められたのかな」「どう思っているんだろう?」と気になりますよね。
私たちは「わからない」ことがあると、あれこれ妄想してしまう生き物です。今回のように、相手の反応がない場合も然り。
“怒っているのかな、仕事の出来がいまいちと思っているのかな、もしかして、嫌われているのかな……?”
最初は些細な相手の反応を気にしていたのに、そこから無限に妄想が広がっていくことがあります。
苦手な仕事をしているときや、仕事がうまくいっていないとき、体調が悪いときには、必要以上に悪く考えすぎてしまうことも。放っておくと、不安な気持ちが膨らんで、前向きな行動もとれなくなっていってしまいます。
オンラインだからこそ「わからない」。対処法は?
こんなときはどうすればいいかというと、「妄想せず、発信すること」です。
実際にどう思っているのかは相手に聞いてみなければわからないので、「先ほどお送りした内容、いかがですか?」「オンライン会議での提案、率直にどう思われましたか?」と相手に尋ねてみましょう。
聞いてみれば、ただ忙しくて反応できなかった。特に問題なくこのまま進めていいと思ったから反応しなかったなど。拍子抜けする場合が多いはずです。
もしも、厳しい意見が返ってきたとしても、それはそれでラッキー。
そのフィードバックをもとに、自分が成長するチャンスです。有難い助言として聞いておきましょう。こういったやりとりをきっかけに、相手との関係に変化が起きて、仕事がしやすくなっていく場合もあります。
さらに、不安の「原因」を書き出してみてもいい
相談者さんの場合は、反応しない人が決まっているとのこと。これまで繰り返し起きていることのようなので、原因を一度書き出してみるとよいでしょう。
たとえば、
・忙しくてノーリアクション5割
・問題がないためにノーリアクション3割
・不明1割
・やっぱり怒っていた1割 など
このように分類できると、今後どう対応すればいいかの目安がつきます。
「怒ってノーリアクションの割合が7割超え」など高いとしたら、それは、相談者さんが送った内容の問題ではないかもしれません。忙しくてイライラしている、そもそも仕事に不満を抱えているなど、相手の問題の可能性が高くなります。
こちらがどれだけ気を遣って文章を書こうと「ノーリアクションなときは、ノーリアクション!」と割りきる。別のことに時間を使うことのほうが、気持ちへの負担も少なくなります。
そして、これは相談者さんに余裕があればですが、「何かお役に立てることはありますか?」と相手にサポートを申し出てみると、事情がわかったり、むしろ、サポートに感謝してもらえるような関係性へと変わっていくかもしれません。
職場で「困った人」は、実は「困っている人」であるケースも少なくないのです。
仕事をする上で、あなたが困っていること教えてください。
応募期間が終了いたしました。
ご意見いただき、ありがとうございます。
■注意事項
・いただいた内容は、本企画のみに使用いたします。就業状況などに影響することはございません。
・全ての困りごとに対する回答はお答えいたしかねます。ご了承ください。
▼これまでの「らしく働くための相談室」
・完全テレワークの人と上手くいかない。モヤモヤした気持ちが増えていく
・職場で空気を読みすぎる私。どうすれば疲れない?
・他人と比べて落ち込み、休日も考えてしまう。