家で過ごす時間が増え、「食」への関心が高まっている。これまでコンビニや外食で済ませていた方も、料理する機会が増えたと聞く。訪問調理師としてこれまで1500軒以上のお宅を訪ねたごはんさんから、ちょっとした工夫で美味しく炊けるコツをうかがった。家にあるものですぐにできるので、早速試してみてほしい。

講師:ごはんさん
数カ月先まで予約が取れない、人気の訪問調理師。1年に約500軒のお宅を訪れ、今までに訪れた数は計約1500軒にのぼる。小学校の給食調理師の経験を活かした、子ども向けメニューが大好評。和洋中とジャンルを問わないレシピの豊富さを活かして、現在フリーランスの調理師として活躍中。子どもと一緒に料理をする食育プログラムも人気。
インスタグラムアカウント:gohan.no.gohan

お米屋さんや農家さん直伝の炊き方とは

「お米屋さんや農家さんを回るのが趣味」というごはんさん。各地に赴いて作業を手伝いながら、食についての知識を深めてきた。ごはんさんの名の通り、特にお米については熱心に情報を集めてきたという。

「作物の品種や栽培方法は問わず、来て良いよ!といってくださる農家さんがあれば『明日から泊まりで行きます!』というスピード感で日本中色々な場所へ伺います。天候や害虫、病気から作物を守るために、農家さん方はあらゆる知識を駆使していらっしゃいますね。現場に行く度に、作物は生き物で、お米一粒一粒が命の塊であることを痛感しますし、この思いを私のお客様にも知ってほしくて、訪問先ではよくお話ししています」

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こういった話をすると、やはり聞かれるのは、「じゃあ美味しく炊くためにはどうしたらいいの」ということ。農家さんやお米屋さんから直接聞いた方法のなかで、実際にごはんさんが試して美味しくできたものを今回は紹介する。

お米を上手に炊くには、まずは保存方法から。「冷蔵庫で冷やして保存する」のがいいそう。

ごはんさんのおすすめは、お米を買ってきたら炊く量に合わせて2~3合を小分けにし、野菜室に入れること。よくシンクの下などに保存する家庭もあるが、湿気が多いところや匂いのつく場所は避けたほうがいいそう。お米は日が経つと乾燥してしまうので、買ってきたらすぐに密閉の袋や容器に移すとよい。

見落としがちなのは、計量の仕方。できるだけ炊飯器に付属する計量カップを使ったほうが良い。付属する計量カップは、その炊飯器に最適化された量で目盛りがついており、ものによって量が若干違うという。

「炊飯器の裏面や取扱説明書は一度目を通すことをおすすめします。例えば、炊く前に30分浸水すべきとか、炊飯後に10分蒸らしたほうが美味しくなるなどと聞いたことがあるかもしれませんが、最近の炊飯器は浸水時間や蒸らしの時間が炊飯に含まれていることも多いのです。これらが必要かどうかは説明書に書かれているので、ぜひ読み直してみてくださいね」

水と氷でさらに美味しさUP

お米をどれくらい研ぐかは自己流の方も多いだろう。研ぐ際に気をつけたいのは「最初に入れる水は手早く捨てること」だ。お米は研ぐ際に多少吸水するが、最初に入れる水を一番吸ってしまうため、注水してお米が沈んだら研ぎ汁はすぐに捨てる。この際、お米が冷えていると吸水量が少なく、研ぎ過ぎを防ぐことができるそう。

また、お米を傷つけないように猫の手で優しく研ぐようにする。お米に傷や割れができると、炊きあがったお米に余計な粘り気が出たり、柔らかく水っぽい食感になってしまうので気をつけたい。

ここまでは基本的なお米の炊き方だが、ごはんさんは美味しくお米を炊くためにいつもひと工夫していることがある。それは「氷を入れて炊くこと」。

目盛りより1ミリくらい少な目に水を入れたあとに、氷を入れる。ご自宅の製氷皿で作る氷で4~5個くらい(約100g)が目安。

浸水してから沸騰するまでの時間が長いほうがいいと言われるのには理由がある。お米のデンプンは80度になると糖分に分解される。80度になるまでの時間が長いとゆっくりと時間をかけて分解が進むため、より甘味が出てふっくら炊けるそう。

カニ穴で出来を確認、その後すぐに冷凍しよう

炊きあがったら、お米をよく見てみよう。カニ穴と呼ばれる小さな穴がたくさんできるのと、お米の粒が立っていれば、美味しく炊けている証拠だ。

お米の混ぜ方にもコツがある。まず十字に切り、四等分されたお米を濡らしたしゃもじでひとつずつひっくり返す。返したら優しく切るようなイメージでほぐす。

炊いて余ったお米を冷凍する際は「アツアツの状態ですぐに冷凍すること」が美味しさを長持ちさせるポイント。よく粗熱を取ってから保存するとよいと言われるが、冷めないうちにすぐに小分けにし、できれば冷蔵庫の急速冷凍の機能を利用したり、保冷剤でお米を挟むようにする。素早く冷凍するとお米の水分を逃がさずに保存できるので、冷凍やけを気にせずに済むという。

訪問調理をしていると、特にお子さんがいる家庭では炊き込みご飯のリクエストがあるそう。苦手な野菜も食べてくれると好評だ。調味料や具材をそのまま炊飯器に入れてもよいが、一度炒めて具材に味をつけてから一緒に炊き込むと満遍なく味がつくのでおすすめ。葉野菜やわかめなど表面積が広くて浮くものを生のまま入れる際は、炊飯器の内蓋にくっついて蒸気の逃げ口を塞いでしまうため、細かく切るようにする。

基本をおさえつつ、少し工夫を加えることで日々のごはんが美味しくなる。特にお米は毎日炊く家庭も多いはず。早速試してみてほしい。

より詳しく学びたい方は「らしく学ぶ」より動画をご覧ください。
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ごはんさんインタビュー:タスカジさんとしてごはん作りで誰かを支えながら、自分も支えられていく

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