派遣スタッフの平均就業月数は0~6ヶ月以内が約40％と、就業初期での契約終了が非常に多くなっています。派遣スタッフの辞退による終了が多く、おもな理由は、自身のイメージとの相違や人間関係です。
派遣先でのどのような言動が「続けるのが不安」と思わせてしまうのでしょうか。逆に派遣スタッフがモチベーション高く働ける職場とはどのような環境なのでしょうか。リクルートスタッフィングが3400人の派遣スタッフに聞いたアンケートをご紹介します。

モチベーションが上がったマネジメント

派遣スタッフにとって働きやすい職場の特徴を3つの言葉で表せば、「的確／丁寧／理解」となります。具体的に派遣スタッフが「モチベーションが上がった」と感じた場面をご紹介します。

就業開始時の説明が丁寧

• 就業開始時、自分が何のために来たのか、どのような働き方をするのかなど、きちんと丁寧に紹介してくれた
• 就業開始時、単に業務のことだけでなく、会社や職場などのことまできちんと教えてくれた

業務指示が的確

• 業務上困ったときに、上司や職場の社員が適切に指示してくれた
• 業務の指示が明確で、計画的に業務が進められた

フォローが細やか

• 上司や職場の社員が、「ありがとう」「ゴメンね」など、細かなことでもきちんとお礼を言ってくれた
• 上司や職場の社員が、「わからないことは何でも聞いてね」「何か困ったことはない？」と声をかけてくれた

業務を理解しフィードバックをくれる

• 上司や職場の社員が、「大変な仕事でしょ」「細かな仕事で疲れるでしょ」など、自分のやっている仕事をきちんと理解し、ねぎらってくれた
• 「頑張ってくれてありがとう」「すごいね」「成長したね」など、自分の業務をきちんと評価し、直接フィードバックしてくれた

環境が整っている

• オフィス環境、作業環境、休憩場所など、仕事のしやすい職場環境が整っていた

就業終了のきっかけとなったマネジメント

逆に、居心地が悪いと派遣スタッフが感じる職場の特徴は、「不明確／無関心／不平等」です。就業終了を考えるきっかけとなった具体的内容をご紹介します。

指示が不十分

放置される／管理されない

• 業務上困ったことや疑問に思ったことなどを、上司や職場の社員に聞いても皆忙しくて教えてくれない。または、聞いても「わからない」「知らない」と言われた
• 重要な仕事、仕事の責任を丸投げされ、上司や職場の社員が進捗管理をしてくれなかった
• 上司や職場の社員が引き継ぎの進捗状況を管理してくれない。前任者任せになったり、期間が短かったりした
• 暇な時間が多く、上司から適切な業務指示がなかった

連絡をしてくれない

• 業務上必要な情報（人事組織変更／システム変更／業務フロー変更など）が、きちんと伝わってこない。または、業務上必要な情報伝達の機会（課会など）に参加できない。その結果業務に支障がでた

業務内容の指示が変わる

• 業務の指示が二転三転した。また、仕事の優先順位が不明確であり、優先順位がつけられなかった

計画通りに業務できない

• 一般的に社員がやった方がスムーズにいく業務（他部署、社外の方との交渉やクレーム処理など）を依頼され、業務の生産性が低下した。そのことを、上司や職場の社員がきちんと理解してくれなかった
• 業務計画をしているが、いろいろな人から急ぎの仕事を依頼されたりすることで、予定通りに業務を終えられないことがあった。その結果業務を計画通り進められず、上司や職場の社員から結果を責められた

存在意義が感じられない

• 職場で自分の果たすべき役割がわからなかった
• 今のままで良いのか、今後、何を期待され、何を頑張ればいいのかわからなかった

評価や対応が不適切

• 上司や職場の社員から「派遣さん」「（派遣会社）さん」などと呼ばれ、名前で呼んでくれなかった
• 有給休暇を取得しようとするといやな顔をされた。また常に職場全員が多忙であり休みを取得したいと言い出しにくかった
• 上司や職場の社員が、自分の仕事の大変さ、働きぶり、仕事の必要性を理解していなかった
• 上司や職場の社員から、仕事内容（生産性やクオリティーなど）ではなく、仕事内容以外（残業、契約外業務への協力、性格や適性、服装など）について、前のスタッフと比較された

職場に周知されていない

• 職場の社員が、自分がどういう仕事をするために来ているのかを理解していなかった
• 出勤初日、職場で「この人だれ？」といった反応をされた

環境が整えられていない

• 出勤初日、職場環境（PC、机、ロッカー）が準備されていなかったり、仕事が準備されていなかったりした

まとめ

派遣という働き方は、適切な指揮命令のもと、契約で定められた業務をおこなうものです。依頼する業務内容が明確であり、指示・フォローする人の存在が不可欠です。「何をしたらいいか分からない」「必要性を感じない」「やるべきことができない」と思われないよう、受け入れ準備をしっかりとしたうえで、周囲の理解を促し、日々のフォローを丁寧におこなってください。

また、派遣スタッフが「働きやすい」と感じる職場は、ほかの従業員にとっても「働きやすい」職場であるといえます。すべての人が個々の能力を発揮できる環境を目指しましょう。