
はじめて就いた仕事のスキルを磨きつづける方も多いと思います。かつて磨いたスキルを活かしつつ、まったく別の仕事に挑戦する方や、キャリアチェンジを視野にいれる方も、近ごろは増えてきました。今回は、公務員から派遣スタッフ、定年後のセカンドキャリアなど、新たな道を歩まれた方をご紹介します。新しいことをはじめるのは、とても勇気がいること。その一歩を踏み出したきっかけを聞いてみませんか。
熱血先生から“肩書のない”わたしへ。自分の意思でつかんだ自由を、謳歌する
派遣スタッフという働き方を選ぶ理由は、人によってさまざま。三浦理紗子さん(36)のそれは、「肩書のない自分になりたかったから」。8年前まで、岩手県の小学校で教壇に立っていたという三浦さん。
「365日、いつも“先生” として生きているような気がしていた。たぶん、“会社員”という肩書でもそうだと思うんです。だから、ひとりの、三浦理佐子という人間でいられる、そんな環境って何かなと考えて、選びました」
「元刑事」。相手の心を開く目と言葉を武器に、社会の課題にコミットしたい
強面、鋭いまなざし、押しの強さ……「元刑事」という事前情報に勝手なイメージを抱いてやや緊張気味でいたところに、「お待たせしました!」と現れた榎本澄雄さん(42)。
はにかんだような笑顔がさわやかだ。ステレオタイプすぎる先入観はすぐにくつがえされたが、まっすぐな視線や凛としたたたずまいに、鍛え抜かれた芯の強さがしのばれる。
自ら起業しながら、現在通信インフラ会社で派遣スタッフとしても働く榎本さんは、「刑事の仕事が私の原点」ときっぱり。「刑事さんってどういう仕事ですか?」と尋ねると、すぐさま「人の話を聞くことと書類を書くこと」と答えが返ってきた。
好きなことで生きられるのは、限られた人だけではない
数年前まで「何かに挑戦してもうまくいくはずがないだろう」という価値観で生きてきたという上野郁美さん(38)。ところが、今は会社を辞め、子育てをしながらフリーランスのライターとして活動している。
今年、企画・編集協力として携わった書籍『子どもの性同一性障害に向き合う~成長を見守り支えるための本~』も発売された。どんなふうに、価値観が変わってきたのだろうか。その変遷をうかがった。
海外で学んだ、プロとしての働き方。今、定年後のセカンドキャリアに活きる
この記事を読むと、多くの人が持つ「派遣」のイメージが大きく変わるかもしれない。大手企業で定年まで勤め、セカンドキャリアのために派遣会社を利用しつつ、自ら仕事を探したという小川研之さん(64)は、長年の海外赴任で出会ったプロフェッショナルたちから仕事の本質を教わったという。
日本人的なやり方とは違う、転職のプロセスや仕事に対する考え方をうかがった。
証券会社でのキャリアを経て。今は自分の経験やスキルを人に教えることが喜び
新卒から証券会社でキャリアを積んできた、中川洋子さん(51)。海外とのやり取りも多く緊張感のある職場だったが、退職し、今は派遣と副業でゆったりとしたライフスタイルを送っている。その心境の変化の理由と共に、今大切にしているものをうかがった。