
皆さんから寄せられた困りごとを解決する、らしく働くための相談室。回答者は、『感情の問題地図』の著者であり、職場のメンタルヘルスについて研究されている関屋裕希さんです。今回は、感度が高いゆえに、終業後に疲れてしまうといった困りごと。職場でも簡単にできる対応策を教えていただきました。
私は、相手が言葉にしていなくても、感情を読みとってしまいがちです。感情だけじゃなく、職場の雰囲気も感じ取る、いわゆる空気を「読みがち」で、終業後には疲れきってしまいます。気にしないように心がけても難しいです。鈍感になればいいのかなって考えるけど、それができていたら悩んだりしないのになあって思います。(20代)
実は強みに変わる。職場の雰囲気・感情を読み取れること
お悩みを送ってくださって、ありがとうございます!
相手が今どんな気持ちでいるのか、職場の雰囲気がピリピリしているのか、ゆるんでいるのか、それがわかる相談者さんは、人の感情や場の空気に対する感度が高いのですね。周りを気にかけたり、気を配ることができるというのは、誰もができることではありません。
きっと、相談者さんの気遣いのおかげで、助かっている同僚の方もいるのではないかなと推察します。そして、その感度の高さは、お仕事にも役立っている・役立てられるのではないかと思います。たとえば、
<相手の気持ちを気遣い、仕事を進める>
“取引先からの提案・意見に○○さんが良い顔をしていないのは、自分の仕事を否定されたように感じているから、かもしれない。中にはポジティブなフィードバックもあったから、改めて○○さんに伝えてみよう”
<職場の雰囲気を見ながら、仕事を進める>
“最近の会議でみんながピリピリしているのは、繁忙期と予算を立てる時期が重なっているからだな。提案したいと思っていることがあるけれど、繁忙期がひと段落して落ち着いたタイミングを見計らってからにしよう”
こんな具合です。
もしも、感度の高さをお仕事に活用していないということならば、ぜひ、その強みを活かそう!という視点をもってみてください。
とはいえ、疲れてしまうもの。2つの対策をご提案
感度の高さが強みだったとしても、疲れてしまいますよね。終業後にぐったりしてしまうというのも、無理ありません。職場でできること、職場の外でできること、2つの対策をご提案いたします。
まずは、職場でできることから。
恐らく、相談者さんは、職場ではいつも周囲にアンテナを張っている状態かと思います。自分以外のところに常に注意が向いているのです。短い時間で構いませんので、職場でも、自分自身に注意を向ける時間をとってみてください。
手軽にできて、おすすめなのは、自分の呼吸に注意を向ける方法です。そのときの自然なペースの呼吸を繰り返しながら、自分の呼吸を観察してみるのです。
“あぁ、少し呼吸が浅くなっていたなぁ。観察を続けていると、少しずつゆっくりになってきたかな。身体の中に空気がめぐっていくのが感じられるなぁ”
こんな感じです。自分の呼吸に注意を向けることは、3分ほどの短い時間であっても、周りの空気から離れて自分のペースを取り戻す方法として役立つはずです。
そして、職場を出たら、自分がわがままになれる時間・空間を大切にしてみましょう!
どんなことでも、相談者さんのペースで過ごせる、自分らしくいられる場所で、ふーっとゆるんだ時間を過ごすのです。どこかに出かけなくとも、自宅でひとり思いのまま過ごすというのも最高です。
好きなものを食べて、やりたいことをして、気が向かないことはやらない。そんな時間を過ごしているうちに、疲れが癒えて、少しずつエネルギーがたまって、回復していきます。ぜひご紹介した2つのことを取り入れてみてください。
仕事をする上で、あなたが困っていること教えてください。
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