プロセス設計から委託する「BPO」|人材不足解消と業務効率化に

2021.03.04

プロセス設計から委託する「BPO」|人材不足解消と業務効率化に

BPOは、企業が抱える「生産性向上」「人材不足の解消」といった課題に対する新たなソリューションとして注目されるアウトソーシングスタイルです。ご紹介するBPOのメリット・デメリットをふまえて、期待されるBPO導入効果が得られているか(得られそうか)、デメリットを補う対策がとれているか(とれそうか)などを考えてみましょう。

BPOとは

プロセス設計から運用までを一括委託


BPO(Business Process Outsourcing)とは、従来のアウトソーシングのように、業務の一部を委託するのではなく、業務プロセスの設計から運用までを一括して委託、もしくは移管することをいいます。

企業を成長させるためには、経営資源を売上や利益に直接貢献するコア業務に注力することが求められます。しかし現実には、コア業務を支えていくための間接業務(ノンコア業務)が多く発生し、コア業務に注力しきれないという企業が多いようです。

こうしたノンコア業務を業務プロセスごと外部に委託することで、経営資源をコア業務に集中させて、競争力を高めることが期待できます。また、BPOを受託する事業者が保有する高い専門性やノウハウを活用することによって、人材不足を解消しながら、委託した業務プロセスのスリムアップを図ることも可能です。

BPOの活用が多いジャンル

BPOは、ノンコア業務や自社内に運用のノウハウがない業務を専門業者に委託するサービスとして発展してきました。このことから、総務や人事、経理などのバックオフィス業務やコールセンターなどの業務プロセスで活用されることが多いようです。

たとえば、人事関連領域でのBPOには以下のようなものがあります。

  • 給与管理(給与・手当・賞与・税金・振込)
  • 社会保険管理(資格取得/喪失・給付・納付)
  • 年末調整
  • 勤怠管理
  • 福利厚生管理(社宅/寮・財形・生保・慶弔・融資)
  • 人事システム保守
  • 退職者支援(アウトプレースメント)
  • 採用管理(新卒・中途・アルバイト)など

現在では、BPOサービスを提供する事業者も増え、対応可能な事業領域も広がっています。人材の育成やマーケティング業務など、事業計画の推進に直接関わるような業務プロセスにおいても、BPOサービス提供事業者の高い専門性を活用するケースが増えています。

BPOのメリット

経営資源をコア業務に集中できる

BPO導入の目的のひとつは、経営資源をコア業務に集中しやすい環境に整えることです。業務プロセスの企画・設計から管理、運用、トラブル対応までを一括して外部に委託することによって、これらの業務を自社のマネジメントから切り離し、人材をはじめとするリソースを直接収益につながるコア業務に集中させることできます。コア業務への注力は提供する商品やサービスの品質を高め、市場における競争力や企業収益の向上につながります。

業務の効率・品質向上が見込める

業務の効率化を図るために、BPOを導入したいと考える企業も多いようです。BPOを受託する事業者は、担当する事業領域に特化したスキルやノウハウを蓄積しているため、業務プロセス全体を委託することによって業務の効率化と業務品質の向上を実現できます。また、社内に保有していない専門的なスキルやノウハウを活用することで、業務プロセスそのものの改善や社内のしがらみにとらわれない改革が期待できます。

コスト削減が期待できる

BPOを導入することによって、人件費などのコスト削減が期待できます。委託する業務プロセスに関わる人員やオフィス、倉庫などを自社で抱えることがないため、本来、固定費であるこれらの費用を、必要に応じて調整できる変動費として扱えることも、BPO導入効果のひとつといえるでしょう。

BPOのデメリット

委託のための準備とコストが発生する場合が多い

どんな業務プロセスを委託するにしても、BPOの導入に際しては、一定の準備期間と業務移管のためのコストが発生します。社内で対応していた業務は、体系化・マニュアル化が進んでいないことも多く、BPO事業者との引き継ぎには相応の時間がかかります。とくに、実際に業務を引き継ぐ実務担当者とは、綿密な打ち合わせが必要になります。このためBPO導入にあたっては、導入後のランニングコストばかりではなく、業務移管に伴うコストを含めて算定してBPOの有効性を検討することが重要です。

自社で直接マネジメントができない

BPO事業者に指定する業務プロセスを移管してしまうと、業務の進行状況を正確に把握することができないというデメリットがあります。加えて、委託した業務に関する運用ノウハウを社内に蓄積しにくくなります。自社で直接マネジメントする必要がある業務は、BPO化すると、逆に業務効率が下がる可能性もあるでしょう。

頻繁に組織・体制変更がしにくい

契約時に交わした業務量・業務成果などの前提条件をもとに業務プロセスが設計されるので、契約期間中は、業務内容や手順などを大きく変えることは難しくなります。急成長中のベンチャー企業や、頻繁に組織や体制を変更する企業には適さない場合があります。

まとめ

人材不足を解消し、業務の効率化を実現するなどの多くのメリットを有するBPOは、労働力人口の減少が進む今の時代に即したアウトソーシングの手法として注目を集めています。とはいえ、BPOの導入にあたっては、目の前のメリットだけではなく、将来的な事業計画なども視野に入れながら、導入後にどのような効果が期待できるのかを検討することが大切です。

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