「ジョブ・アサインメントモデル」で業績UPも人材育成も実現

2021.03.18

「ジョブ・アサインメントモデル」で業績UPも人材育成も実現

チームの業績アップと人材育成の両方を同時に実現することの難しさを痛感しているミドルクラスのマネージャーは多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決するひとつの手段として注目されているのが、「ジョブ・アサインメントモデル」です。単なる「職務の割り当て」にとどまらないマネジメント手法、4つのステージと具体的な行動についてご紹介します。

「ジョブ・アサインメントモデル」とは

「ジョブ・アサインメントモデル」とは、リクルートワークス研究所が提唱する、課長クラスのミドルマネージャーが身につけるべき行動を体系化したものです。
「アサイン」は、英語で「任命」「割り当て」を意味する言葉で、一般的に「ジョブ・アサインメント」というと従業員一人ひとりにどの職務を任せるかという職務の振り分けのことを指します。それに対して、ここでご紹介する「ジョブ・アサインメントモデル」は、「組織として達成するべき目標を踏まえ、部下におこなわせる職務を具体化したうえで割り当て、その職務を達成するまで支援すること」で、職務の割り当てをおこなう前後のプロセスまで含めた広い範囲で定義されているメソッドです。

ジョブ・アサインメントモデルはステージで構成

ジョブ・アサインメントモデルはステージで構成

「ジョブ・アサインメントモデル」を構成するのは「目標設定」「職務分担」「達成支援」「仕上検証」の4ステージ/「リクルートワークス研究所」2020年2月28日

リクルートワークス研究所は、2000人超の現役マネージャーへの定量調査結果をもとに、各項目とチーム成果の因果関係を統計分析し、マネージャーに求められるスキルを要素分解しました。その結果わかったことは、部下は職務を通じて成長するという事実であり、部下が職務を遂行するプロセスにおいて成長することで、さらに大きな業績アップが期待できるということです。つまり、「業績の達成」と「人材育成」は別々に考えるものではなく、マネージャーは表裏一体となっている両者を同時に果たせるということを意味しています。

「ジョブ・アサインメントモデル」は、「目標設定」「職務分担」「達成支援」「仕上検証」の4ステージで構成されています。マネージャーを行動主体として、ステージごとに8つの具体的な行動があげられていて、マネジメント経験の少ない人にも理解しやすく、実践しやすい内容になっています。次から、その詳細を見ていきましょう。

各ステージで実践すべき具体的な行動

「ジョブ・アサインメントモデル」の4つのステージにおいて、マネージャーがとるべき具体的な行動として各8項目が示されています。ステージごとにその内容と目指すゴールをご紹介します。

ステージ1【目標設定】の具体的行動

ステージ1【目標設定】の具体的行動

第1ステージは、自分の組織が達成するべき目標を設計して、その目標を達成するために必要なメンバーの職務を設計する「目標設定」です。
「目標設定」のゴールは、自分が管轄する組織が目標達成によって何を成し遂げて、どのような状態になっているのかを具現化すること。そして、部下が達成するために何をやるべきかを明らかにすることです。

ステージ2【職務分担】の具体的行動

ステージ2【職務分担】の具体的行動

第1ステージの「目標設定」で設定した職務を誰に任せるかを考え、選定した本人に伝えるのが第2ステージの「職務分担」です。ここでのゴールは、部下の一人ひとりに確実に「職務を任せられた」という実感を持ってもらうことです。

部下が高いモチベーションを持ち続けながら、成長の実感とともに職務を遂行できている状態にするためには、部下が職務の目的や行動プランを理解・納得できていることが重要です。本人の能力やスキル、志向を見極めることはもちろん、組織にとってその仕事がいかに重要で価値あるものかを伝えられるかは、マネージャーの手腕にかかっています。

ステージ3【達成支援】の具体的行動

ステージ3【達成支援】の具体的行動

部下を信頼して仕事を任せたからといって、それで「ジョブ・アサインメントモデル」が完了するわけではありません。マネージャーが介入することなく業務が進み、目標を達成できるのが理想かもしれませんが、ビジネスに想定外のできごとはつきものです。そこで必要なのが第3ステージの「達成支援」で、随時、業務の進捗状況を把握し、必要に応じてサポートする必要があります。

ここでのゴールは、部下を支援しながら目標に到達できる状況を作り上げること。目標達成に対して進捗が遅いと判断したら的確なタイミングで介入し、深刻な問題が発生したときには自らの判断で解決に当たる覚悟も求められます。

ステージ4【仕上検証】の具体的行動

ステージ4【仕上検証】の具体的行動

「ジョブ・アサインメントモデル」の第4ステージ「仕上検証」では、部下の職務が完了したことを確認し、検証をおこないます。部下の成果を適切に評価すると同時に、部下の行動を振り返ることはもちろん、自らのマネジメントを内省するところまでを含みます。職務を評価し、次の期への改善につなげることが、「仕上検証」での目指すゴールです。

「目標設定」「職務分担」「達成支援」「仕上検証」のステップを踏み、さらに次の目標を達成するための改善策を練って、一連の「ジョブ・アサインメントモデル」は完了することになります。

まとめ

ジョブアサインメントモデルの4つのステージと、各ステージにおいてマネージャーが取るべき具体的行動と目指すゴールをご紹介しました。マネジメントという業務は業務負荷もプレッシャーも相当なものですが、このように具体的なステージや行動レベルとして可視化されると、マネジメントのキャリアを問わずに取り組みやすいのではないでしょうか。

「ジョブ・アサインメントモデル」については、ジョブ・アサインメントモデルのすべて|研究プロジェクト|リクルートワークス研究所」もご覧ください。

派遣のご依頼はこちら お問い合わせはこちら