【実例:ハイスキル・即戦力人材が派遣を選ぶ理由】ケース③定年後もスキルを活かしたいシニア

「中途採用でも見つからないのに、即戦力となるようなハイスキル人材が派遣にいるの?」「ハイスキル人材は正規雇用を希望しているのでは?」と疑問に思われる方も多いでしょう。しかし、多様な働き方が促進されるなか、ハイスキル人材にこそ「派遣」という働き方が魅力的に映る理由もあるのです。ハイスキル・即戦力の派遣社員(ハイスキル派遣)を4つのケースに分けてご紹介します。
ハイスキル派遣ケース③定年後もスキルを活かしたいシニア
今回ご紹介するケース③は、大手企業などにおいて長年就業経験のある60代シニア層が、「定年後も経験を生かした仕事がしたい」と派遣を選んだパターンです。
厚生労働省が60歳以上を対象に実施した調査によれば、「何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいですか」という設問に対し、「仕事をしたいとは思わない」と答えたのは13.6%にとどまりました。約9割が高齢期にも高い就業意欲を持っている様子がうかがえます。
出典:就業・所得|令和6年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府
実際、60~69歳の就業率は年々高くなっています。
出典:8-1・8-2.高齢者の就業率|定点観測 日本の働き方|リクルートワークス研究所
シニア層が派遣という働き方を選ぶ理由のひとつに「専門スキルを活かしたい」という思いがあるようです。東京都産業労働局の調査によれば、「派遣の仕事を選んだ理由」で60歳以上は「専門的な技術や資格を活用できる」が最も高くなっています。
【事例】私が派遣を選んだ理由
01 「若い方・日本社会に貢献したい」
Aさん(知的財産)
大手電機メーカーに40年以上勤務したAさん。技術者としての経験が豊富なだけでなく、管理職や海外勤務の経験もありました。定年退職後は気持ちに余裕が生まれ、地域活動への参加などをとおして、「これからの日本を背負う若い方に自分の技術・経験を役立ててほしい」「新たな仕事を開始することで日本社会へ貢献をしたい」という想いをもつように。
選択肢を広げるきっかけのひとつとして派遣登録したところ、電子工学の専門的なスキルや海外取引で培った英語力などを活かせそうな大手シンクタンク企業の仕事を発見しました。Aさんの活躍を機に企業はシニア人材の活用を促進。専門知識を持った60代・70代の派遣スタッフの方が、30代・40代の研究員のサポートをおこなうことで、プロジェクト全体の生産性向上に貢献できている状態です。

「今までの私のビジネス経験を還元できている実感があり、思い描いていた『社会貢献』を果たせていると思います」
02 「定年後もフルタイムで働きたかった」
Bさん(金融事務)
Bさんは大手金融機関に60歳まで勤務。定年後もフルタイムで働きたいという希望がありましたが、60歳以降は時短勤務でしか働けないという社内制度であったためやむなく再雇用は選択せず、定年のない派遣という働き方を選択し、登録しました。すぐに、即戦力となる経験者を求めていたメガバンクに就業が決定。依頼されたのは、外国為替の送金受付など、非常に専門性が高い業務でしたが、これまでの銀行業務の専門知識を活かすことができました。40~60代が多く活躍する職場で、フルタイムの派遣としてこれまでの経験をフルに発揮しています。
03 「法務のプロとしスタートアップにノウハウ提供」
Cさん(法務)
法務部一筋30年超の経験を持つCさんは、上場準備経験者の中途採用で苦戦していたスタートアップ企業で派遣スタッフとして活躍。上場手続きはもちろんのこと、上場後の株主総会運営や会社法改正など、会社が大きくなるうえで必要なことを理解しており、職場にそのノウハウを提供しました。
04 「多数のプロジェクトに関われる点が魅力」
Dさん(秘書・PMO)
60代半ばのDさんは語学力を活かし、外資系企業のエグゼクティブ秘書として活躍してきました。また、社内のDX推進も担い、PM(プロジェクトマネージャー)としてもキャリアを磨いてきました。海外転勤を打診されたタイミングで、家庭の事情により退職。プロジェクト単位でさまざまな企業に携われる点にやりがいを感じ、派遣という働き方へ切り替えました。現在は、外資系企業を中心に、BIツール開発などのプロジェクトサポートをしています。
まとめ
ハイスキル・即戦力人材に共通して見られるのは、自身のスキルを活かすことができ、さらに成長できる場を探していることです。そのため、企業への貢献意欲が高い点も共通してみられる特徴と言えるでしょう。今後も人材の流動化は避けられず、また専門性の高い業務の必要性はますます高まると予想されます。豊富な経験をもつ即戦力人材をお探しの際は、ぜひ派遣の活用もご検討ください。