派遣先と派遣スタッフの間で、1on1や定期面談を行うことも多いと思います。面談時に、よかれと思って話したり聞いたりすることにも法的にリスクがある内容が含まれます。よくあるNG発言をまとめましたので参考にしてください。

1on1で聞いてしまいがちなNG発言例１：契約更新について

Aさんには引き続き活躍していただきたいと考えています。次の契約について派遣会社の確認があると思うけど、大丈夫？

質問者の意図
もし更新するうえで不安なことがあるなら、直接本人から聞いて改善しておこう。

質問を受けた派遣スタッフの気持ち

継続は確定ということ？再契約の話はまだ派遣会社から聞いていないけれど、直接していいのかな？

NGな理由
派遣スタッフの雇用主は派遣会社です。派遣契約に関する話は派遣会社と行うべきですし、派遣スタッフの雇用契約について派遣先が関与することはできませんので注意が必要です。不安なことがあれば、必ず派遣会社をとおして確認しましょう。

1on1でに聞いてしまいがちなNG発言例2：将来の展望について

派遣契約終了したら、この先どうするの？

質問者の意図
キャリアアップしたくて派遣で働いているのかな？うちで応援できることはあるか、次の予定ややりたいこととか聞いておきたいな。

質問を受けた派遣スタッフの気持ち

今回の契約で終了するということだろうか？心配されているのか、圧迫されているのかがわからない…この意図は？

NGな理由
「派遣契約が終了したら…」と、派遣契約に関することに言及しており、派遣スタッフと会話すべきでない内容となっています。中長期的なキャリアについて話をしたい場合は、「現在の仕事の中で身に着けたいスキルはありますか？」など、派遣契約とは結び付けず話をするとよいでしょう。

1on1で聞いてしまいがちなNG発言例3：研修について

もう少しExcelスキルを上げてほしいので、研修を受けてもらえますか？

質問者の意図
現在業務遂行いただく中で問題は発生していないけれど、もう少しExcelスキルを身につけたら、作業効率も上がるのでは？業務時間内に受けてもらって構わないし、派遣スタッフのキャリアアップにもつながるから喜んでもらえるだろう。

質問を受けた派遣スタッフの気持ち

これは業務命令？必須なものとして業務時間内に受けるもの？それとも業務時間外で受けてくださいということ？今のスキルだと足りないということかな？

NGな理由
派遣スタッフが受ける研修には、「必須／任意」「業務とする／業務外とする」ものがあります。研修の話をする際は、その点を明確にしましょう。また、受講を勧める理由やメリットもあわせて伝えると派遣スタッフが不安にならずにすみます。

1on1で口にしてしまいがちなNG発言例4：予算について

今期の業績が厳しくて、来期の予算が削られそうなんだよね。

質問者の意図
派遣スタッフにも自組織の状況を話しておきたい。お願いしている仕事に影響がでる可能性もあるし、早めに共有しておかないと。

派遣スタッフの気持ち

これは、次の契約の更新はないという示唆かな？それなら、早めに次の仕事を決めないと。

NGな理由
予算や業績については、派遣契約に関係する話であり、派遣スタッフには直接関係のない話のため、あえて共有する必要はないでしょう。

まとめ

派遣スタッフとの面談や1on1は、お互いが気持ちよく働くために大切な時間であり、安定就業にもつながるでしょう。ただし、伝え方や聞き方によっては派遣スタッフを不安にさせてしまいますので、とくに以下に関することについては注意しましょう。

・派遣契約に関することは言及しない
・派遣スタッフへの要望がある場合は、事前に派遣会社に相談して派遣会社から伝えてもらう。直接伝えたいことがあれば、タイミングや伝え方を派遣会社に確認する
・組織や会社の中で共有すべき情報は提供する