派遣が禁止されている業務|知っておきたいリーガル知識

2021.01.26

派遣が禁止されている業務|知っておきたいリーガル知識

現在の派遣法では、原則としてどのような業務でも派遣を受け入れることが可能になっています。ただし、例外として、派遣を受け入れてはいけない業務があります。ここでは、労働者派遣が禁止されている5つの業務と、禁止されている理由についてわかりやすくご紹介します。

派遣の受入れが禁止されている業務

派遣の受入れが禁止されている業務は次の通りです。

港湾運送業務 湾岸と船舶の間の貨物の搬入など 港湾での運送に関わる業務
建設業務 建設現場での建設に関わる業務
(資材の運搬、組立、車両誘導等)
警備業務 巡回、巡視、交通整理などの警備 業務
医療業務 医療に関わる業務
(医師、看護士などの業務)
士業 弁護士、司法書士、公認会計士、 税理士、弁理士、行政書士等

※紹介予定派遣等で医療業務への派遣を受入れることは可能です。

港湾運送業務

湾岸と船舶の間の貨物の搬入など、港湾での運送に関わる業務です。
例えば、湾岸から船舶に貨物を積み込んだり、逆に船舶から湾岸に貨物を下ろしたりする業務のほか、船舶に積んだ貨物や船舶から下ろした貨物の荷造りや荷解きをするといった業務が該当します。

これらの業務は、港湾労働法にて特別な雇用調整制度(港湾労働者派遣制度)が設けられており、新たに労働者派遣を導入する必要がなく、また、適切ではないため、派遣法上は禁止されています。

建設業務

建設工事現場での建設に関わる業務です。建築資材の運搬・組み立てや、車両誘導、壁・床・天井の塗装や補修、工事後の現場整理・清掃、建造物や家屋の解体などが該当します。

これらの業務は、建設労働者の雇用の改善等に関する法律において、請負形態による雇用関係の明確化が図られているため、労働者派遣が禁止されています。

警備業務

事務所、住宅、駐車場等の巡回、巡視、交通整理などを行う業務です。会場や店舗の入り口での手荷物検査、混雑する場所での人や車両の誘導などもこれに含まれます。

また、「販売業務」の派遣社員にレジ前の客を混雑時に整列させたり、「受付業務」の派遣社員に受付周辺を徘徊する人に声をかけさせたりすることでも、繰り返し行われると「警備業務」とみなされる可能性があります。
これらの業務は、警備法において、すべて請負形態により業務を処理することが求められているため、労働者派遣が禁止されています。

医療業務

医師や看護師・准看護師など、医療に関わる業務です。適正な医療の提供のためには、チームの構成員が互いの能力や治療方針を把握しあい、十分な意思疎通のもとに業務を遂行することが不可欠です。臨時的・一時的に労働力を提供する労働者派遣はこれにそぐわないことから、派遣することが禁止されています。

ただし、紹介予定派遣のほか、病院や診療所以外の社会福祉施設などでおこなわれる業務、産前産後休業・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務、へき地・離島の病院のように地域医療の確保のために必要と認められると定められた場所における医師の業務の場合は、派遣が認められています。

士業

弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、弁理士、行政書士などがこれにあたります。士業は、依頼者からの委託を受けて業務を行うもので、労働者として指揮命令され業務を遂行するものではないことから、派遣が禁止されています。

なお、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士などの業務では、一部で派遣が認められています。

「派遣禁止業務」でよくある質問

Q. 建設現場での事務作業はお願いできますか?

A. 建設現場での事務作業をするスタッフは派遣できます。ただし、資材の運搬など現場作業の手伝いなどをさせることはできません。

Q. イベント会場での雑踏整理はお願いできますか?

A.派遣禁止業務に該当するため、派遣することはできません。

Q. 業務は資料作成等の事務作業なのですが、行政書士の資格を持っている方が派遣されてきました。派遣禁止業務に抵触しますか?

A. 派遣禁止業務には抵触しません。士業か否かは、資格の有無ではなく業務内容で判断されます。

Q. 派遣禁止業務で派遣を受け入れた場合、ペナルティはありますか?

A. 「労働契約申込みみなし制度」の対象となります。

労働契約申込みみなし制度

違法な派遣労働があった場合、それを受け入れた時点で、「派遣先企業が、その時点の派遣元における労働条件と同じ労働条件で、当該派遣労働者に対して労働契約の申込みをした」とみなす制度です。派遣労働者が承諾すれば、労働契約が成立します。

まとめ

派遣が禁止されている5つの業務(港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療業務、士業)と、おもな禁止理由についてご紹介しました。実際の運用に際して不明な点や判断に迷うことがありましたら、リクルートスタッフィングの担当までお問い合わせください。

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