オンサイトとオフサイトの違いとは?BPOの運用形態の特徴を解説

2025.03.07

オンサイトとオフサイトの違いとは?BPOの運用形態の特徴を解説

コスト削減や人材不足対策、コア業務への集中、専門的なサービスの利用を目的として、自社の業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託するBPO(Business Process Outsourcing)を導入する企業も増えています。 BPOには委託先企業がどこで業務遂行するかによって大きくふたつの形態があります。委託元企業常駐型の「オンサイト」と、受託会社内の拠点でサービス提供をする「オフサイト」です。 それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状態や委託する業務に合わせてどちらが良いか検討しましょう。

BPOにおけるオンサイトとオフサイトの違い

オンサイトは、BPOスタッフが顧客のオフィスに常駐し業務を遂行する形態を指し、一方、オフサイトは受託会社の拠点や別の場所でサービスが提供される形態を指します。
それぞれ、特徴や向いている業務が異なるため、理解したうえで自社がBPOを委託したい業務にはどちらが適しているのか、検討することが重要です。

BPOのオンサイト運用の特徴

BPOの運用形態のひとつであるオンサイトには、「現地で」「その場で」といった意味があります。委託元企業に常駐して業務遂行するオンサイトは、企業担当者とBPO管理者とのコミュニケーションがとりやすく、そのため委託元企業のニーズにも迅速に対応できます。委託元企業にとっては、社内情報を外部に持ち出すことなく、自社のセキュリティ体制での運用が可能な点もメリットでしょう。

ただし、委託元企業側でオフィス内に作業スペースを確保しなければならない点はデメリットといえるかもしれません。PCやネットワークなど、インフラ整備をおこなう手間とコストについても、考慮しておく必要があります。

オンサイトに向いている業務


オンサイトのBPOは、コミュニケーションが取りやすく進捗状況を把握しやすいため、突発的に発生する業務やトラブルにもすみやかに対応できます。そのような特性を活かし、オンサイトのBPOに向いている業務には、下記のようなものがあります

プロジェクト管理業務
企業担当者とBPO管理者とのリアルタイムのコミュニケーションや調整が必要なプロジェクト管理業務は、オンサイトでおこなうことで、効果的なコミュニケーションと迅速な対応が可能となります。

顧客と対面でやりとりする業務
顧客との直接的なやりとりが頻繁な顧客サポート業務や窓口業務、受付業務などは、オンサイトで実施することで、即座に顧客の要求や問題に対応できます。

機密情報を含む業務
顧客の個人情報や企業の機密情報を取り扱う業務は、セキュリティリスクの観点からオンサイトでおこなうことが望ましい場合があります。

BPOのオフサイト運用の特徴

オフサイトは「離れた場所」「遠隔地」といった意味で、BPOの場合は委託業務を外部でおこなう運用形態のことを指します。
メリットとしては、コスト削減や専門的なリソースの活用が可能なことや、拠点の場所を選べるため効率的な業務遂行が可能なことなどが挙げられます。また、自然災害といった緊急事態が発生した際のBCP(※)にもなり、業務の継続運営が可能な点もメリットです。

一方、拠点が離れていることによるコミュニケーションの遅延などは、オフサイトのデメリットとして挙げられます。距離が生じることで、ニーズに即座に対応しにくい場合があることも注意したい点です。

※BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画):災害などの緊急事態発生時に、損害を最小限に抑え、事業の継続や早期復旧するための計画。

オフサイトに向いている業務


オフサイトのBPOは、専門的な機材や設備などが必要な業務、委託元企業の従業員や顧客と直接コミュニケーションをとる必要のない業務に向いています。

バックオフィス業務
データ入力、文書処理、経理業務など、バックオフィスのなかでも定型化しやすい業務は、オフサイトで効率的に処理できます。

ソフトウェア開発業務
ソフトウェアの開発やテストなどのIT関連業務は、専門的なリソースや技術を活用するためにオフサイトでおこなうことが適しているケースが多くあります。

コンタクトセンター業務
顧客からの問い合わせや受注業務などのコンタクトセンター業務をオフサイトで委託すれば、自社で設備を用意する必要がなく、24時間体制での運用も可能です。

オンサイトとオフショア・ニアショアの違い

オンサイト・オフサイトとよく似た用語に「オフショア」と「ニアショア」があります。オフショアは、海外にBPOサービスを提供する形態を指し、ニアショアは国内や近隣の国や地域でBPOサービスを提供する形態を指します。

オフショアの特徴


オフショアのBPOは、海外の受託会社に業務の一部、または全部を委託することです。オフショアの例としては、日本の企業がフィリピンやインドなどのアジア諸国に業務を委託する場合などに該当します。オフショアのメリットには、労働力のコスト削減や24時間のサポートが可能な点などが挙げられます。ただし、言語や文化の違いによるコミュニケーションの課題や、タイムゾーンの違いで調整が必要な場合がある、法的・規制上の問題が生じることがあるといったデメリットには注意が必要です。

ニアショアの特徴


日本におけるニアショアのBPOは、日本国内の地方都市や隣接するアジア諸国などの受託会社にBPOを委託することです。ニアショアの利点としては、文化や言語の類似性によるコミュニケーションの円滑化や、タイムゾーンの近さによる調整が容易な点などが挙げられます。一方で、労働力のコストが高くなる場合がある点を考慮する必要があります。

自社に合ったBPOの運用形態を考えよう

以上のようにBPOサービスの利用を考える際は、まず「BPOチームにどこからサービスを提供してもらうか」という場所を選択する必要があります。常駐型のオンサイト、遠隔のオフサイト、海外のオフショア、国内のニアショア、それぞれにメリット、デメリット、そして向いている業務があるため、自社のニーズや業務の特性に応じて総合的に考慮することが重要です。

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