BPOの基本。オフサイトとオンサイトとは?オフショア・ニアショアの違いも確認
コスト削減や人材不足対策、コア業務への集中、専門的なサービスの利用を目的として、自社の業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託するBPO(Business Process Outsourcing)を導入する企業も増えています。 BPOには委託先企業がどこで業務遂行するかによって大きくふたつの形態があります。委託元企業常駐型の「オンサイト」と、受託会社内の拠点でサービス提供をする「オフサイト」です。 それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状態や委託する業務に合わせてどちらが良いか検討しましょう。
BPOにおけるオンサイトとオフサイトの違い
オンサイトは、BPOスタッフが顧客のオフィスに常駐し業務を遂行する形態を指し、一方、オフサイトは受託会社の拠点や別の場所でサービスが提供される形態を指します。
オンサイトの特徴
オンサイトのメリット
・企業担当者とBPO管理者とのコミュニケーションが容易
・委託元企業のニーズに迅速に対応できる。
オンサイトのデメリット
・委託元企業で作業スペースの確保やインフラ整備が必要
オンサイトに向いている業務
プロジェクト管理業務
企業担当者とBPO管理者とのリアルタイムのコミュニケーションや調整が必要なプロジェクト管理業務は、オンサイトで行うことで、効果的なコミュニケーションと迅速な対応が可能となります。
顧客サポート業務
顧客との直接的なやり取りが頻繁な顧客サポート業務は、オンサイトで実施することで、即座に顧客の要求や問題に対応することができます。
機密情報を含む業務
企業の機密情報を取り扱う業務は、セキュリティ上の観点からオンサイトで行うことが望ましい場合があります。
オフサイトの特徴
オフサイトのメリット
・コスト削減や専門的なリソースの活用が可能。
・拠点の場所を選ぶことで、効率的な業務遂行が可能。
・自然災害などの緊急事態に陥った際に、BCP対策にもなり、業務継続運営が可能。
オフサイトのデメリット
・コミュニケーションの遅延やタイムゾーンの違いによる調整が必要となることがある。
・距離が生じることで、ニーズに即座に対応しにくい場合がある。
オフサイトに向いている業務
バックオフィス業務
データ入力、文書処理、経理業務などのバックオフィス業務は、オフサイトで効率的に処理することができます。
ソフトウェア開発業務
ソフトウェアの開発やテストなどのIT関連業務は、専門的なリソースや技術を活用するためにオフサイトで行うことが適しているケースが多くあります。
コンタクトセンター業務
顧客からの問い合わせや受注業務などのコンタクトセンター業務をオフサイトで委託すれば、24時間体制で運用することも可能です。
オフショアとニアショアの違い
オフサイトとよく似た用語に「オフショア」と「ニアショア」があります。オフショアは、海外にBPOサービスを提供する形態を指し、ニアショアは国内や近隣の国や地域にBPOサービスを提供する形態を指します。
オフショアの特徴
オフショアの例としては、日本の企業がフィリピンやインドなどのアジア諸国に業務を委託する場合などに該当します。オフショアの利点としては、労働力のコスト削減や24時間のサポートが可能な点などが挙げられますが、言語や文化の違いによるコミュニケーションの課題や法的・規制上の問題が生じることがあるというデメリットもあります。
ニアショアの特徴
日本におけるニアショアは、日本国内の地方都市や隣接するアジア諸国などが該当します。ニアショアの利点としては、文化や言語の類似性によるコミュニケーションの円滑化やタイムゾーンの近さによる調整が容易な点などが挙げられます。一方で、労働力のコストが高くなる場合がある点を考慮する必要があります。
まとめ
以上のようにBPOサービスの利用を考える際は、まず「BPOチームにどこからサービスを提供してもらうか」という場所を選択する必要があります。常駐型のオンサイト、遠隔のオフサイト、海外のオフショア、国内のニアショア、それぞれにメリット、デメリット、そして向いている業務があるため、自社のニーズや業務の特性に応じて総合的に考慮することが重要です。