RPO(採用代行)とは|委託可能業務や導入のメリット

2023.07.25

RPO(採用代行)とは|委託可能業務や導入のメリット

労働人口不足や売り手市場が続くなか、採用業務は企業の存続や未来に関わる重要な役割を持っています。そのため、自社の採用を採用や採用オペレーションのプロに委託するRPOが注目されています。今回は、RPOに委託できる業務や、メリット、注意点をご紹介します。

RPO(採用代行)とは

RPO(Recruitment Process Outsourcing)は、企業が人材採用プロセスの一部またはすべてを外部の専門企業に委託することを指します。つまり、人材採用活動を自社内で完全に管理・実施するのではなく、外部のRPOプロバイダーに委託することで、より効率的かつ効果的な採用を実現する手法です。

RPOでは、企業とRPOベンダーの間で具体的な契約が行われ、契約内容は企業ごとに異なります。RPOベンダーは、専門的な人材採用ノウハウとテクノロジーを活用し、企業のニーズに合わせた人材獲得戦略を策定し、適切な候補者を効率的に見つけ出します。RPOの目的は、企業が必要とする優秀な人材を迅速かつ効果的に採用することであり、採用プロセスの効率化と品質向上を図ることが期待されます。

RPOとBPOの違い

RPO(Recruitment Process Outsourcing)とBPO(Business Process Outsourcing)は、両方とも企業が特定の業務を外部の専門企業に委託するアウトソーシングの形態ですが、RPOは人材採用プロセスに特化した委託形態であり、BPOはより広範な業務プロセスの委託形態という違いがあります。BPOでは、会計・財務、人事・給与、顧客サービス、データ処理などの業務を委託することが一般的です。

RPOできる業務内容

RPOの具体的な業務内容には、以下のようなものがあります。

採用計画の策定

採用計画の立案、募集要件の策定、採用プロセスの設計など、採用活動の目標を達成するための各種プランニングを委託します。今の人材マーケットを踏まえたうえで、企業に即した求人要件などの立案も可能です。

母集団形成

各種求人媒体への出稿や、エージェントへの依頼、ダイレクトリクルーティング、説明会の企画・運用など、企業に興味・関心がある求職者を増やすための一連のプロセスを代行してもらえます。

応募の管理、選考調整

応募内容の確認、履歴書の情報登録、問い合わせの対応、進捗確認など、候補者に対するさまざまな業務を委託できます。さらに、応募者のスクリーニングや選考も、RPOでカバーできる業務のひとつです。応募書類の評価、適性試験、行動面接などの選考手法を使用して、最適な候補者を選びます。

内定者フォロー

採用者の入社手続きや準備のサポートなど、オンボーディング業務。定期的な意思確認や入社にまつわる不安などのヒアリング、内定者同士の懇親会、内定者フォローなどを丁寧に実施することで、内定辞退率の低下が期待できます。

RPOのメリット

RPOを導入することで、効果的な人材採用が可能になり、企業の成果や競争力の向上につながるメリットが得られます。

専門知識とノウハウの活用

RPOベンダーは人材採用に関する豊富な専門知識と経験を持っています。業界のトレンドや最新の採用手法に精通しており、効果的な採用戦略の活用が可能です。また、RPOは企業の成長や変化に柔軟に対応できるメリットがあります。企業が需要やプロジェクトに応じて採用活動の規模を拡大・縮小する場合でも、RPOベンダーは必要なリソースを提供することができます。

コスト削減

RPOの導入により、企業は人材採用に関連する人件費やリソースのコストを削減できます。RPOベンダーが採用プロセスを効率化し、効果的な広告媒体の選択や候補者スクリーニングをおこなうことで、採用にかかる費用を最適化できます。

時間の節約

RPOベンダーが採用プロセスの一部またはすべてを担当することで、企業は時間を節約できます。求人広告の作成やスクリーニング、面接のセッティングなどの煩雑な作業をアウトソースすることで、社員はほかの重要な業務に集中できます。

品質の向上

RPOベンダーは採用における品質基準を確保し、適切な候補者を選考するためのプロセスを確立します。また、適性試験や面接技法、背景調査などの専門的な手法を用いて、優れた人材を特定します。これにより、企業は優秀な候補者の獲得と採用成功率の向上を期待できるでしょう。

RPOのデメリットや注意点

RPO導入を検討する際には、以下のようなデメリットや注意点を考慮し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じることが大切です。

情報のセキュリティと機密性のリスク

RPOベンダーが委託企業の採用活動をおこなうには、企業の機密情報や候補者の個人データへのアクセス権限が必要です。適切なセキュリティ対策や機密保持にたいする契約をしっかりとおこないましょう。

コミュニケーションと連携の課題

RPOベンダーは外部の企業であるため、企業内部のスタッフとのコミュニケーションや連携に課題が生じる場合があります。情報共有や意思決定のプロセスが円滑におこなわれないと、採用プロセスの遅延やミスコミュニケーションが発生する可能性があります。

ノウハウ、パフォーマンスの依存

RPOに採用活動を委託することで社内に採用ノウハウやデータが蓄積されない懸念があります。採用活動が順調におこなわれている間はよいですが、うまくいっていないとき、どこに課題があるのか自社で分析することが困難になるでしょう。そのため、オペレーションは委託しても、社員が管理者として全体を把握しておく必要があります。

まとめ

RPOを活用して企業の採用活動を効果的におこなうには、社内の採用における課題を明確にし、なにをどこまで委託するのかを定めることがポイントです。また、RPOに任せきりにせず、同じ採用目標を目指すパートナーとして協同する姿勢も大切です。

リクルートスタッフィングでは、人事課題を解決するさまざまなサービスを展開しており、人材派遣だけでなく企業の採用活動をサポートするRPOサービスを提供しています(ただし、採用計画の策定・母集団形成は承っておりません)。採用に関するお悩みがありましたらぜひ一度、お気軽にご相談ください。

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同じ目的を達成するパートナーとしての活用がRPO成功のポイント

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