派遣先均等・均衡方式

派遣先均等・均衡方式とは、派遣先の労働者との均等・均衡を考慮のうえ、派遣労働者の待遇を決定する方式です。ここでは、派遣先均等・均衡方式について、わかりやすくご紹介します。
派遣先均等・均衡方式とは
派遣労働者の待遇については、「派遣先均等・均衡方式」もしくは「労使協定方式」のいずれかによって確保することが、派遣元に義務付けられています。
派遣先均等・均衡方式では、派遣先の労働者と比較したうえで、「均等待遇」「均衡待遇」を図る必要があります。そのため、基本給、賞与、手当、福利厚生、教育訓練など、派遣先の通常の労働者(比較対象労働者※)のすべての待遇について、派遣先から派遣元に対して、情報提供をおこなう必要があります。
※比較対象労働者とは、派遣労働者の待遇を決定するにあたって比較対象となる派遣先の通常の労働者を指します。
情報提供をおこなう5つの事項
派遣先均等・均衡方式において、派遣先は契約締結前に、書面・メールなどにて派遣元に対して以下の5点についての情報提供が必要です。
- 比較対象労働者の職務内容、配置変更の範囲、雇用形態
- 比較対象労働者を選定した理由
- 比較対象労働者の待遇(基本給、賞与、手当、福利厚生、教育訓練等)のそれぞれの内容
- 比較対象労働者の待遇のそれぞれの性質、および当該待遇をおこなう目的
- 比較対象労働者の待遇のそれぞれを決定するにあたって考慮した事項
※昇給、賞与そのほかのおもな待遇が無い場合にはその旨を含みます。
※このほか、派遣先は比較対象労働者の待遇(に関する情報)に変更があった場合には、遅滞なく派遣元 に対し変更の内容に関する情報を提供する必要があります
比較対象労働者の選定方法について
比較対象労働者は以下の順番に従って選定されます。
1.「職務内容」と「職務内容および配置変更の範囲」が同じ通常の労働者
2.「職務内容」が同じ通常の労働者
3.「業務内容」又は「責任の程度」が同じ通常の労働者
4.「職務内容および配置変更の範囲」が同じ通常の労働者
5.1~4に相当するパート・有期雇用労働者(短時間・有期雇用労働法等に基づき、派遣先の通常の労働者との間で均衡 待遇が確保されていることが必要)
6.派遣労働者と同一の職務に従事させるために新たに通常の労働者を雇い入れたと仮定した場合における当該労働者
まとめ
派遣先均等・均衡方式における、書面・メールにてあらかじめ派遣先から派遣元に情報提供をおこなう事項についてご紹介しました。実際の運用に際して不明な点や判断に迷うことがありましたら、リクルートスタッフィングの担当までお問い合わせください。
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