派遣契約の中途解除にあたっての適切な措置

2021.09.10

派遣契約の中途解除にあたっての適切な措置

派遣労働者の雇用の安定を図るために、派遣契約の安易な中途解除はできません。そのため、派遣先の都合による、やむを得ない派遣契約の中途解除に際しては、適切な措置を講じる必要があります。

中途解除にあたって派遣先が講ずべき措置

派遣先の都合によるやむを得ない派遣契約の中途解除にあたっての講ずべき措置は、次のとおりです。(派遣法第29条の2)

派遣契約の解除の事前の申入れ

派遣元の合意を得ることはもちろん、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元に解除の申入れをおこなう必要があります。

派遣先における就業機会の確保

派遣先の関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図る必要があります。

損害賠償等に係る適切な措置

派遣先における就業機会の確保ができなかった場合は、少なくとも中途解除により派遣元が派遣労働者を休業させることなどを余儀なくされたことにより派遣元に生じた損害の賠償をおこなう必要があります。

損害賠償の例
・派遣会社が派遣労働者を休業させる場合は、休業手当に相当する額以上を賠償

理由の明示

派遣契約の契約期間が満了する前に派遣契約の解除をおこなう場合で、派遣元から請求があったときは、派遣契約解除の理由を明示してください。

「中途解除にあたっての適切な措置」でよくある質問

Q. 口頭で派遣契約成立の同意をしましたが契約書は交わしていません。その場合でも、損害賠償は必要ですか?

A. 必要です。派遣契約は口頭でも成り立つためです。

Q. 1ヶ月前までに解除の旨を伝えれば、損害賠償はしなくてもいいですか? 

A. 相当の猶予期間をもって解除の通知をしていただいたうえで、別ポジションにおける派遣労働者の就業機会を確保していただくか、損害賠償が必要になります。

Q. 社内でほかの就業先を用意した場合は、損害賠償をしなくていいですか? 

A. 派遣労働者の就業機会の確保ができ、派遣元に損害が生じなかった場合は不要です。

Q. 派遣元にも原因があって中途解除するときも損害賠償は必要ですか?

A. 必要です。ただし、派遣先と派遣元双方の責めに帰すべき事由の割合を考慮し、派遣先、派遣元で協議のうえ、損害の賠償額を決めることはできます。

まとめ

派遣先の都合によるやむを得ない派遣契約の中途解除に際して講ずべき適切な措置についてご紹介しました。派遣契約の中途解除に関して不明な点や判断に迷うことがありましたら、リクルートスタッフィングの担当までお問い合わせください。

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