2020年トレンド予測「出勤オフ派遣」が的中|派遣にもテレワークスタイルが到来
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「出勤オフ派遣」という言葉をご存知でしょうか。2020年1月、リクルートグループが発表した人材派遣領域「2020年トレンド予測」のキーワードです。オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせることで、より多様な人材が活躍し始めている兆しから導き出されました。はからずも2020年は新型コロナウイルス感染拡大によって、テレワークを導入する企業が増加。在宅ワークの派遣社員を取り入れる企業も増えています。そこで今回は、最新の派遣テレワーク事情についてご紹介します。
派遣のトレンド予測「出勤オフ派遣」とは
2020年1月、リクルートグループは人材派遣領域における2020年のトレンド予測で、「出勤オフ派遣」をキーワードとして挙げました。いったいそれはどんな仕組みなのでしょうか。
ポイントは出勤と在宅の組み合わせ
派遣先企業のオフィスで仕事をおこなう派遣社員のワークスタイルに対し、「出勤オフ派遣」とは、派遣先企業での勤務と在宅ワークを組み合わせた働き方です。たとえば、週5日勤務の派遣スタッフが、3日間はオフィスに出勤して働き、残りの2日間は自宅で仕事をおこなうといったスタイルです。
リクルートグループがこの予測を発表した直後、国内で新型コロナウイルス感染症の拡大が危惧され始めました。それにともない、自社の従業員だけでなく、派遣スタッフにもテレワークを導入する企業が増えました。
出勤オフ派遣ワークスタイル事例
どのような方が出勤オフ派遣で働いているのでしょうか。実例と出勤オフ派遣を経験してみた声をご紹介します。
1)「出勤オフ」で介護と仕事の両立
親の介護のため、週3日はオフィス勤務、週2日は在宅勤務に。
「退職も考えたが在宅勤務のおかげで就業継続ができた。通勤の疲労もなくなり生産性があがった」(派遣スタッフ)
2)「出勤オフ」でがん治療と仕事の両立
手術後、3ヶ月の術後抗がん剤治療が必要だったため在宅ワークを導入。
「在宅勤務により体力消耗をせず8割の業務がカバーできた。また、出勤時には上司や同僚と一緒に働くことで、自分が必要とされていると実感でき、意欲高く働くことができた」(派遣スタッフ)
3)「出勤オフ」で副業と仕事の両立
自身の事業と両立するため、週2日はオフィスで、週1日は在宅で勤務。
「スキルの高い方に業務の依頼ができた。また、チャット等ICTツールの浸透が加速するなどコミュニケーションスピードの向上を実感している」(派遣先企業担当者)
「出勤オフ派遣」を予測した背景
では、なぜ2020年のトレンドを「出勤オフ派遣」と予測したのでしょうか。その背景を探っていきましょう。
人手不足が深刻化するなか、多様な働き手が増加している
近年、日本では少子高齢化によって労働人口が減少する一方で、さまざまな業種で人手不足が深刻化しています。人材派遣においても派遣スタッフの賃金は年々上昇する傾向にあり、人材を獲得することがより困難な状況になっています。また、育児や介護と仕事を両立する人の割合は増加傾向にあります。
派遣スタッフの賃金は年々上昇
育児や介護と仕事を両立する人の割合は増加
働き方改革を目的とした企業のテレワーク導入が増加
政府が推進する「働き方改革」。その取り組みのひとつとして注目されているのが、テレワークです。企業のテレワーク導入率は堅調に伸びており、2011年に1割未満であったテレワークを導入した企業数は2019年に約2割まで増えました。「今後導入する予定がある」と答えた企業も含めれば、約3割近い企業がテレワークを導入、または導入に前向きな姿勢を示していました。そしてグラフにはありませんが、2020年のコロナ禍によってテレワークを導入した企業は急激に増加しています。
テレワークの導入は堅調な伸びを見せている
また、企業のテレワーク導入の目的にも変化が現れています。テレワーク導入が始まった当初は、「生産性向上」や「時短」という成果の見えやすい目的ばかりが注目されていましたが、2015年と2017年のわずか2年間で、「優秀な人材を確保するため」「健康的な生活の実現」「育児中の女性等への対応」という導入目的が2〜3倍に増加しています。
人材確保・働き方改革を目的としたテレワーク導入が増加
派遣業界でのテレワーク導入率
自社の従業員にテレワークの導入を進める企業が増えるなかで、派遣スタッフにもテレワークを導入している企業はどれくらいあるのでしょうか。
コロナ禍でテレワーク導入率は約5割に
リクルートスタッフィングでは、2020年1月末時点で派遣スタッフにテレワークを導入している契約企業はわずか1%程度でしたが、コロナ禍の2020年5月末時点では48%に拡大しました。長引くコロナ禍を見据えて、自社の従業員とあわせて派遣スタッフにもテレワークを導入していった企業が多かったようです。
なお、リクルートスタッフィングが派遣先と派遣スタッフを対象に調査したところ、テレワーク導入による効果について、とても興味深い結果が出ています。
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まとめ
企業側・働く側双方にメリットがあり、今後もさまざまな業種や職種での広がりが見込まれるテレワーク。政府も2020年末までにテレワーク導入企業を2012年度比で3倍にするという目標を設定しており、派遣社員においてもテレワークの導入が今後ますます普及していくと予想されています。
リクルートスタッフィングの人材派遣サービスでも、ノートPCやスマートフォンの貸与など一定の条件を満たせば、派遣スタッフのテレワーク勤務が可能な場合があります。詳しくは、以下のリンクをご覧ください。