6つの事例で紹介。派遣先の就業マネジメントで嬉しかったこと

派遣スタッフのフォロー・マネジメントに悩まれる方も多いと思います。そこで今回は、派遣スタッフが就業先企業で受けた対応で嬉しかったことを、事例とともに紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
待遇改善があった
<事例1>定期的な業務ヒアリングにより時給アップに
経理事務としてサービス業の会社に就業された派遣スタッフAさん。就業から1年経過後、派遣会社より改めて具体的な業務ヒアリングを行なったところ、当初よりも処理件数が伸びており、担当範囲を広げられていたことがわかりました。その内容を派遣先企業の担当者に伝えたところ就業評価も高かったので、当社の判断で適切な待遇変更として時給アップとなりました。

自分から申し出をしなくても、定期的に派遣会社・派遣先企業が仕事内容を振り返ってくれ、待遇が適切であるか検討してくれました。就業から1年経過し、仕事の処理件数が増えていることなどは自分ではあまり把握していなかったのですが、明確にしてくれて嬉しかったです
続けやすい勤務形態に変更してくれた
<事例2>プライベートの環境変化があったものの、時短勤務に変更し契約更新に
派遣スタッフBさんは、週5日、1日7.5時間の契約で働かれていましたが、急遽家族の入院が決まり、週2回ほど看病のため通院しなければいけなくなってしまいました。急なことだったため、派遣先企業に迷惑をかけないよう、現契約満了で終了したいと相談を受けました。その状況を派遣先企業にも伝え、話し合った結果、通院する週2日は、勤務時間を1時間短縮して契約更新を行いました。

時短勤務は難しいと思っていたため詳しい状況など説明していなかったのですが、継続を前提にどのような対応ができるのかを考えていただけたことが嬉しかったです。
派遣先の他部門での社員求人に推薦してくれた
<事例3>指揮命令者の応援を受け別部門で直接雇用に
就業する会社の別部門で求人が出たことが派遣スタッフ全員に案内され、応募してみたいと思ったスタッフCさん。自身の指揮命令者に相談したところ、募集概要・採用要件を明示してくれた上で、希望するなら推薦すると提案を受けました。結果的に、指揮命令者の推薦を受けながら、面接や筆記試験など通常の選考を通過され、採用となりました。

募集概要・採用要件を明示していただいたうえで応募ができ、不必要な情報開示を求められなかった点も嬉しかったです。もし不採用であった場合、派遣としての今の仕事をやめなければならないのか不安でしたが、指揮命令者より中途採用の件は内密に進めるため、難しかった場合は現状の派遣での継続が可能ということも教えてもらえたため安心して挑戦することができました
将来のキャリアビジョンを一緒に考えてくれ、スキルアップも実現
<事例4>学びと実務の経験の機会を受けキャリアアップに
派遣スタッフDさんは、就業1年を超えたころから、「どういうスキルを身につけたい?」「次のキャリアを考えるにあたり、うちでできることは何?」と派遣先担当者から声をかけてもらうようになりました。Dさん自身は特に考えていませんでしたが、声をかけてもらえたおかげで、自分のキャリアを考えるようになり、就業期間中に派遣会社のE-leaningの受講を始めました。さらに、指揮命令者から、「うちの仕事でももう少しOAスキルの高い仕事をやってみない?」と提案を受け、学んだことを実務でも活かせるように環境を整えてもらいました。

今の仕事だけではなく、未来のキャリアビジョンを共有・提案してもらえてよかったです。また、勉強したことを実務でも使うことができ、学ぶだけではなく業務に活かせたことでモチベーションもあがりました。結果的に就業先の業務範囲も増やすことができ、そのことに喜んでいただけたのも嬉しかったです
親身になって相談に乗ってくれた
<事例5>派遣先責任者が気にかけてくれ、問題解決に
派遣スタッフEさんは、就業間もないころ、指揮命令担当者とのコミュニケーションに悩んでいました。そのとき、派遣先責任者の部長が「そろそろ仕事には慣れた?」「仕事の指揮命令はわかりやすい?入社して間もなくても、すぐに理解できる?』と声をかけてくれ、悩みを相談することができました。相談後、部長はEさんに対し、社内用語への慣れを進めるとよいとアドバイスをしてくれ、また指揮命令者には一般用語と社内用語をセットで説明するよう指示を出してくれました。その結果、Eさんと指揮命令者のコミュニケーションが円滑になり、仕事がやりやすくなりました。

指揮命令者とのやりとりに不安があっても、直接伝えることは難しいなか、派遣先責任者が第3者として声をかけてくれたことが嬉しかったです。また、どちらがいい/悪いではなく、双方の歩み寄り方を提案してくれたおかげで、その後、指揮命令者との関係も良好になりました
<事例6>週1での振り返りにより初期の山場を乗り越えられた
大学の庶務部門に就業した派遣スタッフFさん。就業間もないころ、前任からの引継ぎが大量、かつ難易度が高く、自分では対応しきれないと派遣先の担当者に相談しました。相談後、一時的に職員の方がフォローしてくれたこととあわせて、上司が週1で今の仕事の進捗や不明点を確認できる場を持ってくれたおかげで、1ヶ月就業することができました。「1ヶ月続けられた」ということがFさん自身の中で自信につながり、もう少しやれるかなと思い続け、気づけば1年以上就業されています。

具体的に業務を減らすなどの解決をしてくれたのもよかったですが、週に1回、親身になって自分の不安を聞いてくれるその時間が何よりもありがたかったです。途中、泣きたくなることもありましたが、日々成長している点や頑張っていることをフィードバックしてもらえ、支えてくれる担当者の期待に応えたいと頑張ることができました
その他

就業開始時に就業先の災害MAPをいただき、派遣先の避難訓練に参加させてもらいました。自分でも深く考えていませんでしたが、いざ災害が起こった時の対応について地域の特性なども教えてもらえたことは、派遣スタッフも従業員の一員として考えてくれているのだと感じられ、嬉しかったです

人事の人が入社時に声をかけてくれました。就業初日の説明を受けただけでなく、何かあったら相談してね、と気軽に連絡先を教えてくれたのが心強かったです
まとめ
今回ご紹介した事例に共通してみられるのは、「気にかけてくれた」「考えてくれた」「提案してくれた」といったことです。派遣スタッフのフォロー・マネジメントに関しては、企業の方針やできること・できないことがあるかと思いますが、派遣スタッフの不安を払しょくし、自信をもって就業いただき、さらに気づきを与えられるようなマネジメントが安定就業にもつながります。
マネジメントというと難しく考えられてしまうかもしれませんが、今回ご紹介したような「派遣スタッフの立場に立って対応を工夫する」「ちょっとした声がけ・アドバイス・力添えをする」、というところから気にかけていただければ幸いです。
派遣スタッフのフォロー・マネジメントでお悩みの際は、ぜひリクルートスタッフィング営業担当までご相談ください。

路川千晴
株式会社リクルートスタッフィング
総合戦略推進部 総合戦略企画G マネジャー
2006年に株式会社リクルートスタッフィング入社。新規開拓・リテール~大手アカウント営業を経験し、プロフェッショナル領域や時短・日短勤務など多様な働き方の推進や総合的な営業企画を担当。2020年より現職。