【2021年10月~2022年3月】半期レポート

2022.05.10

【2021年10月~2022年3月】半期レポート

株式会社リクルートスタッフィングでは、定期的に全国主要都市を中心に派遣マーケット情報の収集分析を行っています。今回は2022年3月時点のデータを収集し、前月および前年同月との変化を確認しました。各地域によって地域差はあるものの、全国的な派遣求人件数の増加と派遣時給の上昇傾向がみられ、アフターコロナを見据えた企業の採用意欲の高まりが確認できます。

【東京23区】職種別派遣掲載件数および平均スタッフ時給

派遣掲載件数
東京23区の掲載件数は、前月と比較してすべての職種で大幅に増加しています。例年、3月は求人数が多くなる月ではありますが、企業の採用活動が活発になっていることが見てとれます。テレオペ・テレマーケティング・コールセンターのみ前年比マイナスになっていますが、新型コロナウイルスの影響が下半期にはすでに回復し始めていたことが要因と考えられます。

平均スタッフ時給
東京23区の平均スタッフ時給は、前月から【一般事務・OA事務-8円】【営業事務-3円】と下落しています。ただし、前年同月比では【一般事務・OA事務+34円】【営業事務+22円】の上昇でした。前月比での時給下落は、大手派遣各社の大幅な求人数増加に伴い、時給が低めの案件など幅広い求人情報が通常よりも増えたことが要因と考えられます。

【大阪府】職種別派遣掲載件数および平均スタッフ時給

派遣掲載件数
大阪府の掲載件数は、大きく増加した職種もあれば減少した職種もあり、二極化の傾向がみられました。とくに一般事務・OA事務の増加率が前年比123%、前年比較でも145%と2年連続大幅に増加しています。

平均スタッフ時給
大阪府の平均スタッフ時給は一部の職種(営業事務、社会保険事務)を除き、前月比で下落しています。最も求人件数の多い一般事務・OA事務は、前月比ー6円と微減でしたが、前年同月との比較では、+29円です。

【愛知県】職種別派遣掲載件数および平均スタッフ時給

派遣掲載件数
愛知県の掲載件数は、ほとんどの職種に増加傾向がみられます。とくに、一般事務・OA事務の増加率は前年比115%、前年比でも182%と2年連続で大幅に増加しています。

平均スタッフ時給
一方、愛知県の平均スタッフ時給は前月比で下落した職種が多くみられました。例えば、最も掲載件数の多い一般事務・OA事務は、前月比ー10円でした。ただし、前年同月比では、+20円の増加でした。

【福岡県】職種別派遣掲載件数および平均スタッフ時給

派遣掲載件数
福岡県の掲載件数は、一部職種(社会保険事務)を除き、前月維持・増加傾向がみられました。一般事務・OA事務では、前月比108%と増加した一方、前年比較では82%となっています。

平均スタッフ時給
福岡県の平均時スタッフ給は、前月比で下落した職種が多くみられました。ただし、最も掲載件数の多い一般事務・OA事務は、前月比+10円、前年同月比でも+38円と大きく増加しています。

【北海道・東北】職種別派遣掲載件数および平均スタッフ時給

派遣掲載件数
北海道・東北エリアの掲載件数は、一部職種(経理(経理事務)・英文事務)を除き、前月比で増加傾向がみられました。なかでも、一般事務・OA事務の増加率は前年比110%、テレオペ・テレマーケティング・コールセンターは113%と大きく増加しています。

平均スタッフ時給
一方、北海道・東北エリアの平均時給は前月比で下落した職種が多くみられました。一般事務・OA事務は前月比ー3円、テレオペ・テレマーケティング・コールセンターはー3円の下落ですが、前年同月比ではそれぞれ+21円、+27円と増加しています。

オフィスワーク・事務掲載件数推移

2021年度の下半期(2021年10月~2022年3月)の掲載件数の推移をオフィスワーク・事務職で見てみると、地域差はあるものの、コロナ禍前の水準まで回復しています。一般的に年度末の3月は求人数が増加する時期ではありますが、2020年度3月比+9011件(+127%)、2019年度3月比+18588件(+178%)と過去2年の水準を大きく上回る結果となりました。しかし、掲載数増加に伴い、すでに採用に苦戦している地域や職種もあり、この状態が続くと労働マーケット全体に大きな変化が起きる可能性もあるでしょう。

まとめ

全国各地で派遣求人の動きが活発化しています。地域によってはコロナ禍前の水準を越えてきており、今後も増加することが想定されるでしょう。ただし、企業採用が活発になると派遣スタッフの選択肢が増え、応募率が高くなる求人と低くなる求人に二極化される傾向になります。昨今はインターネットサイトで応募する比率が非常に高く、派遣スタッフ自身で求人内容の比較を容易に行うことが可能です。そのため、派遣スタッフが「働きたい」と思うような情報の充実と条件の見直しが派遣活用のポイントとなるでしょう。

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