シニア派遣とは?50代・60代が派遣で働く理由と活用事例

2022.07.12

シニア派遣とは?50代・60代が派遣で働く理由と活用事例

「人生100年時代」と言われるなか、定年や早期退職後も社会に貢献したいと望む方が増えています。派遣においても、50代・60代の登録者は年々増加しています。受け入れ先の企業としては、潜在層の活用として検討したいものの、マネジメント面などで不安を抱えているかたも多いのではないでしょうか。そこで今回は、シニア派遣についてよく聞かれる疑問にお答えしながら、活用事例も合わせてご紹介します。

シニア派遣に対する疑問

そもそもシニア派遣とは


そもそもシニア派遣とは?普通の派遣との違いは?

定義はありませんが、一般的にシニア派遣とは、50代・60代の方を派遣するサービスです。フルタイムでの勤務を希望される方もいますが、年金受給された人が年金とのバランスをとりながら時短・日短勤務で就業するケースも多くあります。

ただし、派遣というサービスはそもそも年齢を条件として紹介することができません。派遣会社は派遣先企業からのオーダーに対し、年齢ではなく、経験やスキル、就業条件に合致する方を派遣します。

 


シニア派遣スタッフの割合は?

人生100年時代において、50代・60代はまだまだ折り返し地点であり働き続けられる環境があることは不可欠です。国がシニア活用をバックアップしていることもあり、高齢者の就業数は年々上昇しています。シニア層の就業率は目標を上回る勢いで増加しており、非常に多くの企業が注目しています。

派遣においても、シニア層の活躍の場は広がりつつあり、リクルートスタッフィングの「シニア・プロフェッショナル派遣サービス(55歳以上のスタッフ派遣サービス)」の新規登録者数も年々増えています。2021年度における55~59歳の登録者数は、2018年度から約1.6倍、60歳以上は約1.3倍となりました。

シニア派遣スタッフの就業意欲


なぜ高齢の方が派遣を?派遣で働く目的や就業意欲は?

50代・60代の方が派遣で働く理由はさまざまです。現役時代に培ってきた経験や能力を使って、周囲や会社の役に立ちたいという貢献意欲が強い方も多くいます。また、定年前にやむを得ない事情(家族の介護や自身の病気など)で早期退職し、定年を意識せずに再び働きたいという方もいます。

<50代・60代の方が派遣で働く理由>
・在職老齢年金制度の適用を受けながら週3日程度働きたい
・会社を定年退職・早期退職し、これまでの業務経験を活かしながら新たな環境で働きたい
・自分の経験や技術を若い人に伝えたい
・何かしらの形で社会貢献したい
・雇用形態にはこだわらず、たまたま気になった募集が派遣だった
・給与は気にせず、新しい業務にチャレンジしたい

シニア派遣活用のメリット


シニア派遣の活用メリットは?どのような人がいますか?

シニア派遣の活用には以下のようなメリットがあります。

・20~40代では見つからないような、実務経験豊富な人材を即戦力として活用できる
・人との折衝や傾聴対応が必要な業務で、経験を活かした対応が可能
・土日祝含む業務やシフト制など、変則的な時間で集まりにくい日時帯も柔軟に対応が可能

シニア派遣スタッフのマネジメント


年上の方への業務指示やマネジメントは難しくないでしょうか?

実務経験の豊富なプロフェッショナル派遣でれば、むしろ教育の手間が省けることもあります。逆に、50代・60代で新しいことにチャレンジしたいという方は、自分より若い人に教えてもらうことへの抵抗がなく向上心が強いといえるでしょう。

もちろん、「これまでのやり方に固執する傾向がありマネジメントが難しい」といった場面もあるかと思いますが、それはシニアに限らず、経験者の活用を考えるうえでぶつかる課題です。お互いに先入観をなくしたうえで向き合うことが大切です。

実際にシニア派遣を活用している派遣先企業の声をご紹介します。

シニア派遣マネジメント事例1

派遣先企業


フォローするだけのパワーが社員にない状態をくみ取って業務を進めてくれます。不明点は確認を入れてくれますが、自分で考えて対応してくれるので、職場全体が効率的に動いています。

シニア派遣マネジメント事例2

派遣先企業


会社のノウハウなどはもちろん共有しますが、逆に別企業で培ったスキルを活かしてもらうことがあり、助かっています。また、マネジメントする側を経験され、その難しさを理解されているので、つたない指示でも快く受けていただき、その点でも業務を依頼しやすいです。

シニア派遣マネジメント事例3

派遣先企業


シニア派遣を受け入れた当初は、お互いにぎこちなさを感じていました。そこで、率直に話し合ったところ、当社の進め方の課題を指摘いただき、派遣スタッフの方の行動の背景が分かりました。加えて、派遣スタッフの方から業務の進め方に対する改善点も提案いただきました。一方的に、「こちらの指示に従ってほしい」という思いをぶつけるのだけではなく、どう感じられているのかを聞き、よりよい方法はないか相談しながら進めることが大切だと感じています。

シニア派遣活用事例

実際に、リクルートスタッフィングからご紹介したシニア派遣スタッフを活用されている派遣先企業、また活躍されているシニア派遣スタッフの事例をご紹介します。

シニア派遣活用事例1【プロフェッショナル派遣】

ベテラン社員の穴埋めで派遣を。週3日~OKに条件変更をしたところシニアスタッフが合致

年齢:60代
業務内容:損害保険業での顧客連絡業務
就業条件:週5日・時短勤務

業務難易度が高いことから、これまで経験豊富な社員が対応していた、損害保険業A社での顧客連絡業務。ベテラン社員が急な長期休業になり派遣を依頼しましたが、多岐にわたる知識と経験が必要な業務なため、なかなか適任を派遣できませんでした。そこで、シニア層も視野に入れ、週3日~就業可能と条件変更したところ、同業他社で定年まで勤務され、顧客連絡業務経験のあるBさんが手をあげてくれました。Bさんは年金バランスを考慮し、当初週3日の日短勤務を希望されていましたが、職場見学時に案件の依頼背景や職務内容を確認し、毎日勤務したほうがよいと判断をされ、週5日・時短勤務での就業となりました。

シニア派遣活用事例2【プロフェッショナル派遣】

中途採用の時間がなく、派遣で上場準備経験者を活用

年齢:60代
業務内容:上場準備
就業条件:フルタイム勤務

株式上場に向けて準備をすることになったスタートアップ企業C社。上場準備経験者を中途採用で募集しましたが、採用に手が回らず苦戦していました。当初の派遣依頼は、繁忙期の業務を回せる事務職でしたが、本来必要であった上場準備ができる経験者を派遣で探してみることに。結果的に、法務部一筋30年超の経験を持つシニア派遣スタッフDさんを派遣。上場手続きはもちろんのこと、上場後の株主総会運営や会社法改正など、会社が大きくなるうえで必要なことを理解されており、職場にそのノウハウを提供していただきました。

シニア派遣活用事例3【プロフェッショナル派遣】

病気療養のため早期退職。週3日勤務からフルタイム派遣へ

年齢:50代後半
業務内容:営業事務
就業条件:週3日勤務→フルタイム勤務

受発注業務の難易度が高いことからも、派遣スタッフの定着にやや課題を感じていたE社。経験のある派遣スタッフでもなかなか業務を覚えられず、ほかの社員も忙しくフォローしきれる状況ではないという状態でした。そこで派遣したのは、病気療養のため早期退職をされた50代後半の派遣スタッフFさんです。受発注経験が長かったこともあり、すぐに活躍。就業開始は週3日の日短勤務でしたが、体調が戻られたタイミングで週5日勤務へ変更されました。

シニア派遣活用事例4【未経験】

営業経験を活かし、テレマーケティングに挑戦

年齢:60代
業務内容:お客様相談室での受電受付
就業条件:週3日勤務

元々は営業職で活躍され、定年を迎えられたGさん。退職後は自分にしかできないような社会貢献をしたいと考え、仕事を検索した際、お客様相談室での受電受付業務を発見。電話対応業務は未経験であるものの、長い営業経験を活かせるのではないか?と応募。現在は、これまでの営業経験を活かした傾聴姿勢などはもちろんのこと、職場のモチベーション向上や生産性向上なども考えた対応も評価され、SVとして活躍中です。

シニア派遣活用事例5【未経験】

なじみのある業界で他業種にて即戦力に

年齢:60代
業務内容:総務人事受託会社での郵便仕分
就業条件:週3日勤務

大手メーカーを定年退職されたHさんが派遣で担当するのは、総務人事受託会社での郵便仕分と各フロアへの配達業務です。自社ビル40階を回る業務は体力も必要で、仕分ルールも覚えなければいけません。Hさんは、業務自体は未経験であるものの、同じようなメーカー企業での勤務経験を活かすことができました。組織名などのルールの理解も早く、各フロアへの入館手続きや情報セキュリティへの配慮などにも理解があったため、即戦力として活躍。Hさんは、郵送配達業務中、さまざまな人に声をかけてもらえると楽しんで仕事をされています。

まとめ

少子高齢化・労働力人口の減少を抱えた日本では、シニア人材の活用が進んでいます。派遣では、年齢を気にせず一人ひとりのスキルや経験にフォーカスした人材活用が可能です。

リクルートスタッフィングでは、55歳以上の経験者を派遣するプロフェッショナル派遣サービスも行っています。シニア派遣に興味をお持ちの方はぜひご相談ください。

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