派遣からの直接雇用【紹介予定派遣】って?よくある懸念事項と活用事例

2022.08.26

派遣からの直接雇用【紹介予定派遣】って?よくある懸念事項と活用事例

紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に派遣先企業にて直接雇用されることを前提とした仕組みのことです。派遣スタッフも企業側も、派遣期間を通して職場環境や適性を見極めることができるメリットがあります。今回は紹介予定派遣について、企業側からよく寄せられる疑問や懸念にお答えしながら、活用事例をご紹介します。

紹介予定派遣とは

紹介予定派遣 は直接雇用を前提とした一定期間(最長6ヶ月)の派遣就業期間を通し、社員としての適性を見極めた採用が可能なサービスです。企業と派遣スタッフ双方が合意をした場合、直接雇用に切替えることが可能です。

紹介予定派遣に関する懸念①絶対雇わないといけないの?


派遣就業期間後は自動的に直接雇用になるのでしょうか?

必ず雇う必要はありません。派遣期間(最大6ヶ月)の間に双方で見極めを行い、派遣終了2ヶ月 前ごろから双方で意向確認を行います。両者の合意があれば入社手続きを進めます。

紹介予定派遣に関する懸念②どのタイミングで判断するの?


どのタイミングで採用をするか判断するのでしょうか?

判断のタイミングは2回あります。まず、派遣開始前に、書類選考・筆記試験・面接など、採用と同様のフローで選考いただきます。次に、派遣就業期間を見極め期間をとして、本採用をするか判断を行います。派遣契約終了の2ヶ月前から最終意向確認を行い、1ヶ月前頃に最終判断をしていただきます。

紹介予定派遣に関する懸念③派遣スタッフ側から断られることは?


派遣スタッフ側から断られることはありますか?

派遣先企業同様、派遣スタッフにも判断のタイミングが2回あります。面接後辞退される方もいらっしゃいますし、派遣期間開始後、職場環境や業務内容などをみて合わない(派遣期間終了後、派遣先企業と直接雇用契約を結ばない)と判断することもあります。

紹介予定派遣に関する懸念④派遣先企業による選考は可能?


通常の派遣は、特定行為禁止という観点から派遣先企業が選考してはいけないことが派遣法で定められていますが、紹介予定派遣の場合も同様ですか?

いいえ。紹介予定派遣では、直接雇用と同じように選考することが可能です。また、派遣期間満了2ヶ月程度前から意思確認を進め、採用に至らない場合は再人選を進めるなどの対応を行います。

紹介予定派遣に関する懸念⑤直接雇用の試用期間と何が違うの?


見極め期間の派遣期間は直接雇用の試用期間と何が異なるのでしょうか?

まず、見極めの派遣期間は、直接雇用に必要な保険の手続きなどを行う必要はありません。

また、見極め期間を通して双方の意向が合わなかった際、直接伝える必要がありません。直接雇用の試用期間であれば、「やはり辞めたい」「やはり辞めてほしい」ということを双方伝えづらいと思いますが、紹介予定派遣の場合は派遣会社が間に入り、お互いの意向をお伝えします。

紹介予定派遣に関する懸念⑥通常派遣後に直接雇用するパターンと何が異なるの?


紹介予定派遣ではなくても、派遣期間終了後、直接雇用することは可能ですよね?何が異なるのでしょうか?

紹介予定派遣は直接雇用を前提とした派遣サービスです。そのため、選考も可能であり、派遣できる人材も異なります。通常の派遣であれば、派遣という働き方を希望し、企業側が望んでも「直接雇用されたくない(社員として働きたくはない)」という派遣スタッフもいます。一方、紹介予定派遣であれば、派遣期間終了後は直接雇用されたいという希望を持った人のみをご紹介します。

紹介予定派遣に関する懸念⑦どんな人材を紹介してもらえますか?


紹介予定派遣に登録されている方はどんな方々ですか?

紹介予定派遣に登録される方の年齢、経歴、理由はさまざまですが、リクルートスタッフィングに登録されていた方の事例をご紹介します。

未経験職種へのキャリアチェンジのため紹介予定派遣に登録

大学卒業後、新卒で販売職を2年経験されたAさん。体力的な問題から事務職へのキャリアチェンジを希望しましたが、未経験であったため派遣でキャリアを積んでから転職しようと考え派遣登録されました。実務は未経験であったものの、大学時代に身につけた 基礎知識が十分にあったため登録時のOA スキルは比較的高く、また販売職時に在庫管理と発注業務の経験がありました。そこで、未経験可能な営業事務職の紹介予定派遣をご案内。派遣期間を経て、スキルや意欲が認められ、直接雇用となりました。

Aさんのように、事務職での転職を希望しているものの、OAスキルや書面などのビジネスマナーなどの知識が少ないと感じ、派遣会社での研修を受けたり、派遣での就業をしたり してから直接雇用を目指そうと紹介予定派遣に登録される人がいます。

子育て中は派遣で就業、ひと段落したので直接雇用を目指し紹介予定派遣に登録

出産前は正社員で経理業務を行っていたBさん。子育て中は年次決算時などの残業対応が難しいため、一度退職し、派遣として仕事を継続。育児がひと段落したところで、再度社員での就業を希望。派遣会社での就業実績があり、評価も高かったため、即座に紹介予定派遣で紹介。そのまま派遣先企業にて直接雇用に至りました。

Bさんのように、もともと派遣で就業しており、ライフスタイルなどの変化から直接雇用化を希望し、紹介予定派遣に登録を変えられる方もいます。

就業条件が詳細に記された求人案件を発見。たまたま紹介予定派遣だった

インターネットで求人情報を検索していたCさん。たまたま見つけた紹介予定派遣の案件は、駅からの徒歩分数やバスの本数、残業時間が詳細に記載されていました。家庭の事情から、「家を出る時間、家に帰る時間を明確にできる職場」を希望されていたため、「ここなら安心できそう」とエントリー。実際に派遣として就業してみたところ、希望していたとおりの就業環境であったため、派遣期間終了後、社員として就業を継続されました。

Cさんのように、「求人検索中に見つけた案件の内容が具体的で、たまたま紹介予定派遣であった」という方もいます。Cさんが就業した派遣先企業では、過去に「就業時間は記載のとおりだったがバスの本数が少なく、子どものお迎えに間に合わない」といった理由で契約終了に至ってしまったことがありました。そこで業務終了時間だけでなく、駅までの時間も記載するようにしていたのです 。

転職活動に失敗。実際に働いてみてから入社を決めたい

事務職として求人が出ていた企業に応募し就業したDさん。実際入社してみるとオフィス内業務ではあるものの、営業要素が強い業務でした。募集要項に記載されている内容だけでは判断できず、仕事の内容や任せられる範囲を見極めてから入社を決めたいという思いから、紹介予定派遣での転職活動を開始。紹介を受けた企業で3ヶ月の派遣として就業してみたところ、実際の仕事内容や働く社員の人の様子などが自分のイメージと即していることを確認でき、直接雇用に切り替えられました 。

Dさんのように、「入社してみたら違った」という失敗を繰り返したくない、という理由から紹介予定派遣を希望される方もいます。

紹介予定派遣の活用事例

どのような経緯や背景から紹介予定派遣を依頼することになったのか、リクルートスタッフィングでの実際の活用事例をご紹介します。

採用ノウハウがなく紹介予定派遣を利用

A社では長らく経理事務で活躍されていた社員の方が退職。久しぶりに中途採用を行うことになったものの、社内に採用のノウハウがなく困っていました。そこで、産休代替で以前利用があった派遣で取り急ぎ補填しようと派遣会社に相談。「可能であれば長期的に勤務してもらいたい」「派遣スタッフの希望があれば派遣期間終了後の直接雇用も考えたい」という要望があったため、紹介予定派遣をご案内し直接雇用に至りました。

求人広告では詳細を記載することができず採用活動に苦戦

複数の企業から業務を受託しているC社。委託先企業の受付スタッフを募集することになり、求人媒体に広告を出稿しました。しかし、実際の勤務先である委託先企業のオフィスは新しく通勤も便利な場所であるにも関わらず、広告上では勤務先のことを詳細に記載できないため、他の案件に埋もれてしまい、思っていた以上に応募が集まりませんでした。そこで、広告での直募集ではなく人材紹介会社と派遣会社に依頼。派遣会社からは、紹介予定派遣の提案を受けました。紹介予定派遣 の求人票には、勤務場所のメリットを詳細に打ち出すことができたため、応募が複数入り、決定に至りました。

斡旋で入った人がなぜか短期間で辞めていくため、フォロー期間として派遣期間のある紹介予定派遣を利用

D社は、中途採用で営業事務を募集。何人か入社したものの、なぜか短期間で退職されることが続きました。退職理由も一身上の都合ということばかりで状況が分からなかったため、派遣期間にフォローとして営業担当が入る紹介予定派遣を利用することに。

中途採用と同様の筆記試験・面接を重ねて派遣就業を開始。開始早々派遣スタッフから派遣会社に「業務がルーティンなので今はやりがいが持てるが、社員として長く続けられるか不安」と相談が入りました。D社では営業事務職での入社後、希望があれば商品企画などの職種転換も可能であり、管理職登用の実績や育休後の時短勤務移行など、キャリアの幅は広くあったのですが、たまたま同部署は若手が多くキャリアの変化をしている社員が少ないことに気づきました。

そこで、様々な形でキャリアを積んでいる別部署の社員との面談の場を設け、ずっと同じ仕事を続けるだけではないことを説明。直接雇用後のキャリアに対する不安が払しょくされたことで、派遣スタッフも意欲的に業務に取り組むことができ、結果派遣期間満了後、直接雇用に至りました。

まとめ

新卒採用や中途採用を検討した際、「派遣から」というのはなかなかイメージがわかないかもしれません。しかし、派遣期間を通しての採用であれば、自社で募集する手間が省けるだけでなく、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。多様な働き方のひとつとして、ぜひ派遣を通した人材活用をご検討ください。

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