キャリアアップ助成金とは?派遣スタッフの直接雇用も対象

2022.09.14

キャリアアップ助成金とは?派遣スタッフの直接雇用も対象

非正規雇用の労働者(有期雇用労働者等)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成される、キャリアアップ助成金。社内の有期雇用労働者の雇用形態を変更した場合だけでなく、派遣スタッフを正社員として直接雇用した際にも支給されます。

キャリアアップ助成金とは

「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成される制度です。非正規雇用労働者には、有期契約労働者、短時間労働者のほか、派遣スタッフも含まれます。

助成額

派遣スタッフを派遣先企業で正規雇用労働者(※)として直接雇用した場合、以下の金額が派遣先企業に支給されます。

派遣会社で有期雇用されていた派遣スタッフを派遣先企業で正規雇用した場合
1人当たり 85万5000円(大企業:71万2500円)

派遣会社で無期雇用されていた派遣スタッフを派遣先企業で正規雇用した場合
1人当たり 57万円 (大企業:49万8750円)

※正規雇用労働者には、「多様な正社員(勤務地・職務限定正社員、短時間正社員)」を含みます。
※勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し、有期契約労働者等を当該雇用区分に転換 または直接雇用した場合に助成額が加算されます。

おもな支給要件

支給を受けるには以下の要件を満たしている必要があります。

・派遣スタッフを正社員として直接雇用する制度を就業規則等に規定していること。
・同一の事業所等で、6ヶ月以上(コロナ特例あり※)継続して労働者派遣を受け入れていたこと。
・正社員として直接雇用後6ヶ月分の賃金を支給したこと。
・直接雇用後の6ヶ月間の賃金を、派遣期間中の6ヶ月間の賃金と比較して、3%以上増額させていること。 下記のコロナ特例で派遣期間を短縮した場合は、1ヶ月当たりの平均賃金額を比較して3%以上増額が必要です。

※コロナ特例(派遣期間が短縮できるケース)
令和3年12月から令和7年3月までの期間中に、以下の条件をいずれも満たす方を正社員にする場合、 派遣期間が2~6ヶ月未満でも支給対象になります。
・紹介予定派遣の方
紹介予定派遣の派遣期間中に派遣元事業主が行うOFF-JT(有給、無償)を8時間以上受けることが必要です。 ただし、派遣期間の開始日前日から6ヶ月前までに公共職業訓練または求職者支援訓練を修了した場合は不要

上記以外にも支給要件があります。詳しくは厚生労働省ホームページ等でご確認ください。
キャリアアップ助成金

申請方法

・正社員として直接雇用する前日までに、「キャリアアップ計画」をハローワークへ提出します
・正社員としての賃金を6ヶ月分支給した日の翌日から起算して2ヶ月以内に申請する必要があります

派遣からのキャリアアップ助成金利用方法

利用方法①:正社員化を前提とした紹介予定派遣の利用

6ヶ月以内の派遣期間後、双方の合意のうえで派遣先企業にて直接雇用を前提とする紹介予定派遣。派遣期間が短縮できる「コロナ特例」も該当します。

<紹介予定派遣のコロナ特例>
令和3年12月から令和7年3月までの期間中に、以下の条件をいずれも満たす方を正社員にする場合、派遣期間が2~6ヶ月未満でも支給対象になります。

・紹介予定派遣の派遣期間中に派遣会社が行うOFF-JT(有給、無償)を8時間以上受けた
※派遣期間の開始日前日から6ヶ月前までに公共職業訓練または求職者支援訓練を修了した場合は不要
・1ヶ月あたりの平均賃金が派遣期間と比較して正社員化後に3%以上増額している
 
 【一般的な目安】
 23区事務職の平均時給(リクナビ派遣データより)
 1700円 →1700円×7.5時間×20営業日=25.5万/月
 25.5万×103%=26.3万/月 程度の社員化後の月収設定
 ポイント:1ヶ月の平均賃金の比較になるため賞与は含まれない

*コロナ特例については、個別確認・対応が必要のため、必要に応じて派遣会社に相談してください
 
リクルートスタッフィングの紹介予定派遣サービス
 

利用方法②:現在派遣されているスタッフを正社員転換する

現在就業中の派遣スタッフを正社員として直接雇用する際は、以下の流れで確認を進めましょう。

1.派遣会社へ現在就業している派遣スタッフの直接雇用の相談をする
その際、正社員転換後の求人要件も提示する。
2.派遣会社より、派遣スタッフへの求人概要の説明・意向確認を行う
3.双方合意のうえ、直接雇用への手続きを行う

くれぐれも、派遣先企業から直接派遣スタッフへ相談したり意向の確認をしたりしないようにしてください。まずは派遣会社に相談しましょう。

 

まとめ

すべての派遣スタッフが直接雇用・正社員化を望んでいるわけではありませんが、自分らしい働き方を続けながら雇用の安定化を望んでいる方は多くいます。キャリアアップ助成金はエリアや職種、時間を限定した多様な正社員にも該当しますので、双方の合意があればぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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