派遣スタッフが早く帰りたいと望めば、休憩時間を短くできる?

2022.10.04

派遣スタッフが早く帰りたいと望めば、休憩時間を短くできる?

ある日、あすかさんは派遣先企業の担当者からこんな質問を受けました。

「9:00~17:45、休憩12:00~12:45の契約で就業いただいている派遣スタッフのAさんに1時間の残業をお願いしました。17:45から18:00まで追加の休憩時間をとってもらおうと思ったのですが、早く帰りたいので追加の休憩はなしで連続して勤務したい、との相談を受けました。これは可能でしょうか?実働が8時間を超える場合、60分の休憩が必要ですよね?」

「(派遣スタッフの希望ならいいのかな…)確認します!」

あすか

リクルートスタッフィング入社1年目、派遣営業部所属。
口ぐせは「確認します…」と「教えてください!」

さとし

リクルートスタッフィング入社8年目、法務部所属。
好きな業務はリーガルチェックのテスト作成


質問です!

はい、なんでしょう?


残業で派遣スタッフの実働が8時間を超える場合、休憩を1時間にする必要がありますよね?

そのとおりです。休憩しなければいけない時間は労働基準法で定められています。使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上の休憩を労働者に与えなければなりません。


ということは、実働8時間・休憩45分の派遣スタッフに1時間の残業をお願いする場合、追加で15分の休憩が必要になりますよね?

はい、そのとおりです。


派遣スタッフが「早く帰りたいので15分の休憩はなしで連続して勤務したい」と望んでも追加の休憩は必要ですか?

はい、労働基準法は強行法規ですので、本人の同意があってもその規定内容に反する措置をとる事はできません。


なるほど。それなら、「早く帰りたい」という希望を叶えるため、たとえば以下のように業務終了後を休憩とするのはどうでしょうか?

定時  9:00~17:45 休憩 12:00~12:45 ※実働8時間 休憩45分
残業 17:45~18:45 休憩 18:45~19:00 ※実働9時間 休憩60分


それもNGです。休憩のルールは、時間だけでなく、そのとり方にもあります。休憩は勤務時間の途中にとらなければなりません。


勤務時間の最初や最後では、休憩時間にならないということですね。

そのとおりです。就業後は休憩時間とはみなされません。早く帰りたいという希望に沿うのであれば、残業が見込まれる日は、はじめから昼休憩を60分取得しておくのはいかがでしょうか?タイムカードは実態に即して、休憩時間、終了時間を記載してください。ただし、慢性的に残業があるようでしたら契約時間そのものを見直すことも検討してもよいでしょう。


なるほど。わかりました!ありがとうございます。
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