就業開始1年、こんな理由で辞めました/続けました

2022.09.26

就業開始1年、こんな理由で辞めました/続けました

派遣就業開始1年後は、初回契約の再契約時と同様、派遣スタッフの意向により契約終了になることが多いタイミングです。職場環境も把握でき、業務に慣れてきたからこその【続ける/辞める】の分かれ道はどこにあるのでしょうか。派遣スタッフの声とともにご紹介します。

業務内容が想定どおりだった/異なった

続けられた

ルーティン業務をミスなくこなすというやり方が自分に合っていたので続けました

職場見学時に、依頼業務はルーティン業務である代わりに、負担が少なく残業はほぼないと説明を受けた派遣スタッフAさん。プライベートとの両立をしたかったこと、ルーティン業務をミスなくこなすという仕事のやり方が好ましく就業を開始。1年経過し、指揮命令担当者からも「仕事の質が高くて丁寧、納期も前倒しなので助かっている」というフィードバックも受け、自分の働き方と会社に求められていることが合っていると感じ、継続しました。

辞めた


業務の幅が想定していたよりも狭く、スキルアップが望めなかったため辞めました

部門アシスタントとして就業開始した派遣スタッフBさん。職場見学時に、「ゆくゆくは部門の予算実績管理もお願いしたい」という話を受け、やりがいがありそうと就業開始。半年ほどすると業務にも慣れてきたため、「仕事の幅を広げたい」と相談したところ、「今のところ予算実績管理は社員が担当しているのでやっていただかなくて大丈夫です」と言われてしまいました。このまま続けていてもスキルアップが望めないと感じたため終了に至りました。

「続ける?or辞める?」枝分かれPOINT

ひととおりの業務がこなせるようになった際に、現状のスキル内で仕事をしたいと望む派遣スタッフもいれば、派遣期間にスキルアップしたいと望む派遣スタッフもいます。いずれにしても職場見学時に伝えていた内容と異なると、違和感を感じ辞める理由につながってしまうケースがあります。将来的に依頼したいと考えている業務があれば、「○○な状況で○○さんの意向が合えば、○○な業務もお願いしたいと考えています」といった伝え方で期待値の調整をするとよいでしょう。

業務量の変化に対する対応があった/なかった

続けられた

スキルに応じて業務量を増やしてくれたので続けました

営業事務として勤務している派遣スタッフCさん。職場見学の段階で「はじめは1チームを担当してもらい、業務に慣れたころもう1チームお願いしたい」と聞いていました。就業開始から半年ほど経過し、「業務にも慣れ、時間にも余裕が出てきました」と伝えたとことろ、「ではもう1チームお願いできますか?」と担当範囲が広がりました。業務量は増えたものの、契約の時間内で対応できる範囲であったことに加え、「無理しないでくださいね。終わらなければ社員がフォローに入ります」という指揮命令者からのフォローがあったため、継続することができました。

辞めた


業務には慣れたものの、やりがいを感じられなくなり辞めました

経理事務で就業開始した派遣スタッフDさん。当初はちょうどよかった業務量でしたが、半年ほど経過したとことで処理スピードもあがり手が空く時間が増えてしまいました。データ整理など自分で見つけられる仕事は自主的に行っていましたが、それでも時間に余裕ができたので、「何か手伝える仕事はないか」と周囲に相談しました。しかし、「今お願いできる業務はありません」と言われてしまいました。業務の難易度は高くないものの、早く終わっても早く帰れるわけでもなく、次第にやりがいを感じられなくなり、契約は終了することにしました。

辞めた


相談なく業務量が増えたにも関わらず処遇改善もなかったため辞めました

経理業務として就業開始した派遣スタッフEさん。事前に、仕訳処理の量が多いとは聞いてしましたが、これまでの経験もあったため3ヶ月ほどで何とか全量をこなせるようになり安心していました。しかし、半年経過後「余裕がありそうなので、別のチームの仕訳もお願いします」と、業務量が倍に。仕訳という契約範囲の仕事ではありましたが、当初の倍の業務をこなすようになったにも関わらず処遇変更もなく、今後も相談なく業務量が増える可能性があることに不安を感じ契約終了を選びました。

「続ける?or辞める?」枝分かれPOINT

派遣スタッフに依頼する業務量については、3段階ぐらいを事前に決めておくとよいでしょう。なぜなら、段階によって定められた時間内で対応できる量が変わってくるからです。


①就業開始時期:最終的に依頼したい業務量の6~8割程度。引継ぎ期間があれば、前任スタッフと分担できる量
②半年~1年:当初予定していた業務量
③1年後:本人の習熟度と希望にあわせ、業務量を増やすのか、別の業務を依頼するのか、派遣会社に相談のうえ決める

上記のように就業開始から業務量が増える想定があれば、事前に派遣会社に相談しておきましょう。業務量に伴い、業務の難易度や勤務時間に変化がある場合は変更があるタイミングで契約内容を見直す必要もあります。

また、派遣スタッフにも想定している最終的な業務量を共有しておくと、「今の処理量は、最終的な量から〇%」と自分のパフォーマンスや習熟度を確認することができたり、「〇ヶ月後までには、あと〇時間早く終わらせられるようになろう」と目標を立てたりすることができます。

「職場に貢献したい」と望んでいる派遣スタッフは多くいます。派遣スタッフの手が空いてそうだなと感じたら、「仕事の量はどうですか?」「待ち時間が長くなってしまって申し訳ない」などフォローの一声をかけてみてください。「もっと仕事がほしい」いう希望がありそうであれば、派遣会社に相談し、再契約の段階で他に依頼できる業務はないか、一緒に検討してみるとよいでしょう。

環境の変化に対するフォローがあった/なかった

続けられた

指揮命令者の変更がありましたが、変わらず就業できたので続けました

OA事務として、上司から依頼を受けたデータ集計をするのがメインの派遣スタッフFさん。途中で人事異動がり、指揮命令者とフォロー担当の社員が変わりました。不安もありましたが、Fさんの現在の仕事内容や働き方、Fさんへの仕事の依頼方法なども引継ぎにより共有されていたため、これまでと変わらず就業することが可能に。さらに、派遣会社の担当者、新しい指揮命令者、派遣スタッフの3者で現状共有をする面談の時間が設けられたことで、安心できただけでなく、新たな気持ちで業務に望むことができました。

辞めた


上司が変わって残業が増えてしまったので辞めました

Gさんは部門アシスタントとして就業中に指揮命令者の変更がありました。引継ぎはされたようでしたが、新しい指揮命令者は派遣スタッフの指揮命令がはじめてだったこともあり、他の社員と同様に扱うという考え方でした。その考え方自体には賛同できたものの、定時前に依頼された仕事でも、残業して処理してほしいというスタンスにより、社員だけでなくGさんも残業をしなければならない日が増えてしまいました。Gさんはプライベートと両立するため、就業時間が比較的固定された派遣という働き方を選択していたため、このままでは続けるのが困難と感じ契約を終了することにしました。

「続ける?or辞める?」枝分かれPOINT

指揮命令者やフォロー担当が変わるときは、派遣スタッフも不安を感じます。派遣先企業内でしっかりと引継ぎを行うことはもちろん、新しい担当者と派遣会社、派遣スタッフの間で、改めて現状や今後の予定をすり合わせる機会にするとよいでしょう。

まとめ

職種や派遣スタッフのスキルにもよりますが、就業開始1年後は、ひととおりの業務がひとりでこなせるようになり、余裕が生まれるタイミングです。その際に「このままでよい」と望む派遣スタッフもいれば、「もっと他の業務も担当したい」と望むスタッフもいます。派遣は一定の期間ごとに契約を更新していくスタイルですので、契約更新の機会をスタッフの意向、現状の業務内容、そして契約内容を確認するタイミングとして活用しましょう。

<派遣スタッフ長期就業のためのコツ>
・1年後、2年後などの長期でみたときにどういう仕事なのかを把握し、派遣会社と共有しておく
・派遣スタッフごとのパフォーマンス状況に応じて、業務のバッファーを設ける
・パフォーマンスがよい場合、追加業務の依頼や処遇見直しが可能なのかの想定をしておく
・環境の変化があった場合は、早めに派遣会社・派遣スタッフ・指揮命令担当者との現状の仕事内容の共有や働くスタンスなどの共有をしておく

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