派遣料金の内訳|派遣会社のマージンの使われ方

2023.03.07

派遣料金の内訳|派遣会社のマージンの使われ方

派遣料金の内訳は「派遣会社が派遣スタッフに支払う賃金」と「派遣会社のマージン」に大きく分けられますが、「マージン=派遣会社の営業利益」ではありません。派遣会社のマージンが何に使われているのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、派遣料金の内訳とマージンの使われ方について解説いたします。

派遣会社費用の内訳

派遣スタッフへの賃金は雇用主である派遣会社から支払われます。派遣スタッフの賃金は派遣先企業から派遣会社へ支払われる派遣料金に含まれるものですが、「派遣先企業が派遣会社に支払う派遣料金=派遣スタッフの給与」ではありません。派遣料金は、大きく「派遣スタッフに支払われる賃金」と「派遣会社のマージン」に分けられます。

派遣会社や職種などによって違いはありますが、一般社団法人「日本人材派遣協会」の調べによると、派遣料金のうち、派遣スタッフの賃金が70.7%、人材派遣会社が負担する派遣スタッフの社会保険料が約10.9%、派遣スタッフが有給休暇を取得した場合の賃金分が約4.2%などで、残り15%程度が人材派遣会社の運営経費と営業利益です。

※派遣料金の内訳は一般社団法人「日本人材派遣協会」が調査によって割り出した割合
日本人材派遣協会

派遣会社のマージン

派遣料金のうち、派遣スタッフに支払う賃金部分を除いた額の合計を「マージン」、マージンが人材派遣の料金全体に占める割合を「マージン率」といいます。

つまりマージン部分には、先に紹介した派遣賃金(約7割)以外の派遣スタッフの社会保険料や有給休暇費用、福利厚生費用、そして派遣会社の諸経費が含まれます。

マージン率

マージン率は、以下の計算式で算出されます。

マージン率=(派遣料金の平均額-派遣賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100

マージン率は各派遣会社が独自に定めているため、派遣会社によって異なります。さらに業種や職種によっても平均値が異なりますが、厚生労働省の調べによると、全体的な平均値は30.4%です。一般的に、IT系など人材確保が難しい職種ほどより高いマージンが設定されている傾向にあります。

出典:
労働者派遣事業関係業務取扱要領|厚生労働省

マージンの使い道

マージン率が高いほど派遣会社が多く利益を取っているわけではなく、社会保険料、資格取得推奨などの教育訓練、派遣スタッフが安心して業務に取り組める環境づくりのための費用がマージンには含まれています。

派遣会社の事業運営費

オフィスの賃料や社員の人件費など派遣会社運営費

派遣会社が負担する派遣スタッフの社会保険料・雇用保険料・労災保険料

厚生年金、労災保険、健康保険、雇用保険など

派遣スタッフの福利厚生費、教育訓練費

・派遣スタッフへの慶弔見舞金、健康診断の費用などの一時的な福利厚生費
・派遣社スタッフのスキルアップや資格取得のための研修費用

派遣スタッフ有給休暇費用

年次有給休暇は労働基準法第39条で規定された労働者の権利であり、派遣スタッフにも付与されるものです。派遣スタッフの有給休暇取得は、派遣先が提供するのではなく、雇用主である派遣会社が賃金を支払う仕組みとなっています。

詳しくは以下の記事も参照ください。
【知っておきたいリーガル知識】年5日の年次有給休暇の確実な取得促進
【チェックシート付】派遣スタッフがスムーズに有給休暇を取得するためのポイント

営業利益

上記費用を除いた分が派遣会社の営業利益となります。「日本人材派遣協会」の調査によれば、派遣会社の営業利益は1.2%です。

まとめ

派遣料金のマージン率は、2021年4月に労働者派遣法が改正により、インターネット上で開示することが義務付けられています。マージン率が公開されるようになったのは、派遣スタッフや派遣先企業が教育訓練に関する取り組み状況や適切な福利厚生の実施を確認し、より適切な人材派遣会社を選択できるようにするためです。派遣会社を選ぶ際には、マージンが何に使われているかという情報と組み合わせて総合的に判断することが大切です。

参照:
マージン率等の情報提供について|厚生労働省

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