派遣スタッフの健康診断は派遣先/派遣元どちらがおこなう?

2023.08.17

派遣スタッフの健康診断は派遣先/派遣元どちらがおこなう?

ある日、あすかさんは派遣先企業の担当者からこんな質問を受けました。

「派遣スタッフの方にも健康診断を受けていただかなければならないのでしょうか ?派遣先である弊社が手配する必要がありますか?」

「(受診する必要はあると思うけれど派遣先の責任…?)確認します!」

あすか

リクルートスタッフィング入社1年目、派遣営業部所属。
口ぐせは「確認します…」と「教えてください!」

さとし

リクルートスタッフィング入社8年目、法務部所属。
好きな業務はリーガルチェックのテスト作成


質問です!

はい、なんでしょう?


派遣スタッフも健康診断を受ける必要がありますよね?

はい、企業には雇用する従業員の安全衛生と健康を守る責務があり、労働安全衛生法66条において「健康診断の義務」が定められています。健康診断に関する法の規定は、派遣スタッフも対象となります。


なるほど。ということは、派遣スタッフの健康診断については雇用主である派遣元企業に実施する義務があるということですか?

派遣という労働形式では雇用主と職場が異なるため、雇用契約がある「派遣元企業」だけでなく「派遣先企業」も労働安全衛生法の適用を受け、派遣スタッフの安全衛生確保の義務を負います。


なるほど。派遣スタッフの健康診断に関しては、派遣元と派遣先、双方に実施義務があるのですね。

具体的には、「一般健康診断」は派遣元企業、「特殊健康診断」は派遣先企業に実施義務があります。「一般健康診断」は、すべての労働者が対象となり、1年に1回実施される定期健康診断のほか、雇入時健康診断があります。一方で、「特殊健康診断」とは、化学物質や放射線などに関わる有害な業務に従事する労働者のための健康診断で、6ヶ月に1回の頻度で派遣先企業に実施義務があります。


なるほど。「特殊健康診断」の実施は、なぜ派遣先企業の義務になっているのでしょう?

特殊健康診断に関しては、検査項目が複雑で「個人の健康診断」というよりも、派遣先企業の「作業環境・職場診断」となっているため、厚生労働省によって派遣先が責任をもって実施するよう定められています 。


ちなみに、健康診断の受診料は派遣スタッフの負担になりますか?

一般健康診断の費用は派遣元企業が負担し、特殊健康診断の受診費用は派遣先が負担します。


健康診断の受診は業務にあたりますか?

特殊健康診断については、受診時間は労働時間とみなす必要があります。一般健康診断については「労働時間とするのが望ましい」とされていますが、派遣会社によって異なり、業務時間外となることもあります。


業務時間外となる場合、平日フルタイムで勤務している派遣スタッフなどは、有給休暇を取得しなければならない可能性もあるということですね。

そのとおりです。健康診断の受診は労働安全衛生法で定められている労働者の義務なので、派遣スタッフからの健康診断のための有休 取得申請があった場合、派遣先企業は取得を許可するようにしましょう。


わかりました!ありがとうございます。
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