同じ目的を達成するパートナーとしての活用がRPO成功のポイント
急激な事業成長に伴い、高い採用目標を掲げたEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社。その目標を達成するには、まず採用部隊を強化する必要がありました。そこで、新たな採用チーム立ち上げに伴い、RPOの導入を検討。さらにこれまで属人化していた採用組織にもメスを入れました。今回は、RPO導入のきっかけや、得られた効果、RPO活用のポイントをEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社の早瀬様、古賀様、疋田様、古林様におうかがいしました。
世界各国で会計、税務、コンサルティングなどのプロフェッショナル・サービス事業を展開するアーンスト・アンド・ヤング (Ernst & Young、略称EY)。そのメンバーファームであるEY Japanの経営コンサルティングを担うコンサルティングと、戦略的トランザクションを支援するストラテジー・アンド・トランザクションの2つのサービスラインを擁する法人として2020年10月より業務開始。
EY Parthenon Cross Sector Strategy/Human Resources
自動車業界を中心に20年以上にわたり、経営戦略策定、事業構想、マーケット分析、将来動向予測等に従事。
近年は経済産業省、国交省、内閣府、東京都をはじめとする官公庁の商用車・モビリティ領域のアドバイザーを務めるとともに、スマートシティー等の国際会議のプレゼンター・プランナーとして社会創生にも携わる。
Human Resources
人材系企業、日系総合コンサルティングファームを経て、2020年1月に中途でEYに入社。
EYでは複数部門のリクルーターに加え、中途採用全体の選考プロセス/オペレーション改善業務や、全社採用タスクフォースのメンバーとして各施策の企画促進活動を行う。
Human Resources
外資コンサルティングファームを経て、2021年に採用企画立ち上げメンバーとしてアシスタントディレクター職にて入社。採用企画の責任者として、各種戦略立案・実行に従事。
Human Resources
2019年10月に中途入社。
リスク・金融領域のリクルーターを経て、現在は採用企画メンバーとして、全社横断課題に対する施策の立案・実行、また社内外のイベント運営~採用ブランディングと企画業務全般を担う。
ダイレクトリクルーティングチームを2倍速で結成
ーRPOを導入された背景を教えてください。
売り手市場のなか、事業拡大にあわせて前年比40%成長という高い採用目標が掲げられていたため、これまでの求人広告やエージェント活用だけでなく、攻めの採用手法を取り入れる必要がありました。
新たな採用手法としてダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)の導入を検討したときに、社内でソーシングチームをゼロから立ち上げるより、オペレーションは外部に委託したほうがよいだろうという判断をした結果、RPOの活用を決定しました。
―なぜ、外部に委託した方がよいと考えられたのでしょうか?
ダイレクトリクルーティングは、ほかの採用手法と比較し、採用単価は抑えられるものの潜在層を含めたアプローチになるため工数がかかることは想定できました。そのため、負荷がかかりそうなオペレーション部分の設計はEYとRPOで協業しながら検討し、実際の運用はRPOや外部リクルーターに委託をするということを考えたのです。それによって、社員は全体コントロールや企画立案に注力したいという狙いもありました。
ー結果はいかがでしたか?
想定より倍の速さでソーシングチームの結果が出せました。オペレーション設計が開始された1ヶ月後には、運用が始まり、そのスピード感は期待以上でしたね。安定運用まで半年くらいを想定していましたが、3ヶ月後にはPDCAを回せる体制になり、結果的に早いタイミングで内定を出すことができました。このスピード感は自社のみでおこなっていたら実現できなかったものです。
ブラックボックス化していた組織の業務を見える化し、繁忙期対策
ーその後、オンボーディングチームもRPOに委託された経緯を教えてください。
ソーシングチーム立ち上げをRPOに委託するときから、問題がなく安定稼働すれば、そのほかの採用業務もお願いしようと考えていました。
オンボーディング業務は、社員と派遣スタッフで担当していましたが、ノウハウが属人化し業務がブラックボックス化していました。そのため、繁忙期に対して適切な人材補充ができず、社員が残業をして対応していたのです。
ーRPO導入後はどのような変化がありましたか?
まず、EY社員とRPO共同で業務を可視化しました。内定者1人に対してかかる時間が明確になったことで、毎月の入社人数にもとづく月間工数を割り出すことができました。その結果、繁忙期にスポットとして必要なスタッフ人数が明確になり、 RPOから受けたスポット対応スタッフの導入提案も合理的に判断できたのです。社員の業務が平準化され、残業時間削減にもつながりましたし、業務をマニュアル化したことで、スポット対応スタッフへの業務移管もスムーズにおこなえる体制になりました。
ーさらに当初は予定していなかったアドミ業務もRPOに委託された経緯を教えてください。
リクルートスタッフィングからの提案で、リクルーティングチーム全体のアドミ部隊をつくっていただきました。従来は、契約書・請求書処理、入社者のモビリティ手配、各種イベントの調整などはコアではないものの、一人月をかけるほどの業務ではなく、各社員やリクルーターが担当していました。
その業務をRPO各チームで余った工数で担っていただけることになり、結果的に社員はコア業務に集中できるようになり、生産性の向上にもつながりました。
これは、大きな業務を委託したからこそ、余った隙間時間で対応いただけたことだと思いますが、アドミのような小さな業務をRPOに委託するという考えはなかったため、細かいところまで拾っていただき大変ありがたかったです。
同じミッションを追ってくれるパートナーとしてRPOを選ぶ
ーRPOを導入してよかった点を教えてください。
ひとつひとつの業務に対して、採用オペレーションに関するプロの目線でノウハウを提供いただけたことです。たとえば、候補者のデータ管理方法に関しても「今後の活用を考えたら、この方法がよい」といった、経験をもとにした長期的な目線でアドバイスをいただけたことは想定外のことでした。「そういうやり方や考えもあるのか」と視座があがったことで新しいことにチャレンジすることもできました。
ーRPOベンダーを選ぶ際のポイントはありますか?
「ノンコア業務を切り出す」という目的でのRPO活用もあるとは思いますが、事業の目標に対してより高い結果を出すために外部の力やノウハウを借りる、という考えでのRPO活用もあると思います。EYとしては後者の考えであり、そのため「パートナーとして同じミッションを追いかけてもらえるか」という視点で選びました。
リクルートスタッフィング のRPOチームは、「これは随時指揮命令が必要だから業務委託より派遣の方がよい」「後々のミスやロスを回避するために土台を固めてからとりかかったほうがよい」など、当社の採用成功をゴールにおいたうえで、ただお願いしたことをオペレーティブに運用してくれるだけでなく、運用の現実性を考えた巻き取り・改善提案をしてくれました。
依頼する側も、任せきりではなく、責任と権限をはっきりと決めたうえで、同じ目的を達成するためのパートナーとして活用することが、RPO導入成功の鍵だと思います。
まとめ
明確な目標とはっきりとした目的をもってRPO導入に踏み切ったEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社さま。その決断が成功にいたった背景には、RPOに任せきりにせず、同じ目標を目指すパートナーとして協同する姿勢がありました。
リクルートスタッフィングでは、人事課題を解決するさまざまなサービスを展開しており、人材派遣だけでなく企業の採用活動をサポートするRPOサービスを提供しています(ただし、採用計画の策定・母集団形成は承っておりません)。採用に関するお悩みがありましたらぜひ一度、お気軽にご相談ください。
RPOについては以下の記事も参考にしてください。
RPO(採用代行)とは|委託可能業務や導入のメリット