【2023年派遣時給】平均時給が過去最高額を更新した理由は?
派遣の平均時給は上昇傾向にあります。ジョブズリサーチセンターのデータによると、三大都市圏の2023年 11月度平均時給は、1,654 円と過去最高額(2018年3月度以降)を更新しました。派遣の時給が上昇傾向である背景には、働き方改革の影響などが考えられます。同一労働同一賃金施行以降の変化と2023年の傾向をお伝えします。
派遣時給の傾向1. 派遣時給は全体的に伸びている
ジョブズリサーチセンターのデータによると、三大都市圏(関東・東海・関西)の2023年 11月度平均時給は、全体で前年同月より 37 円増加の 1,654 円(増減率+2.3%)と過去最高額※を更新しました。12月度平均時給も、全体で前年同月より17円増加の1,630円と高い水準を維持しています。
※2018年3月度以降の集計データによる
この数年で平均時給は上昇傾向にあり、2023年12月の平均時給を3年前の同月と比較すると+81円(105%)となっています。伸び幅がもっとも大きいのは製造・物流・清掃系で、+147円(112%)、最も平均時給が高いのはIT・技術系で2,250円でした。
参考:
2023年11月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】|ジョブズリサーチセンター
2023年12月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】|ジョブズリサーチセンター
派遣時給の傾向2.高単価層の割合が伸びている
2023年における派遣時給の価格帯別増減を、一般社団法人日本人材派遣協会の調査(東京都・愛知県・大阪府)で見てみると、時給1,750円以上の割合が+13.6ポイントで最も伸び率が高いことがわかります。一方で、1,250円~1,500円未満の割合は-12.5ポイントと最も減少率が高くなっています。
参考:
派遣社員WEBアンケート調査(2023年度)|一般社団法人 日本人材派遣協会
平均時給の上昇は同一労働同一賃金の影響と高単価派遣の増加
派遣の時給が2020年以降、上昇傾向であるのは、同一労働同一賃金の影響があると考えられます。同一労働同一賃金は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差の解消を目指すもので、大企業・派遣契約への適用は2020年4月から(中小企業は2021年4月から)開始されています。
また、一般社団法人日本人材派遣協会の調査が示しているように、高時給の派遣が増え、全体の時給を押し上げていることも予測できます。とくに「IT・技術系」の平均時給は2,000円超で推移しています。
<同一労働同一賃金については以下の記事も参考にしてください>
【知っておきたいリーガル知識】2020年改正派遣法に伴う同一労働同一賃金について
【図解】いまさら聞けない同一労働同一賃金 9つの質問
まとめ
最低賃金の見直しも毎年おこなわれ、近年は引き上げ傾向にありますが、時給を含めた派遣スタッフの待遇改善も継続しておこなわれるものです。派遣スタッフへの給与の支払いは雇用主である派遣会社がおこないますが、派遣先が派遣会社に支払う派遣料金にも反映されることなので、その仕組みや影響を確認しておきましょう。