紹介予定派遣とは?企業側のメリットと導入時のポイント

紹介予定派遣とは?企業側のメリットと導入時のポイント

採用活動において、企業はスピーディーかつ的確な人材確保が求められます。しかし、従来の採用プロセスではミスマッチや早期退職などが起きることもあり、自社に合った人材を確保するのは簡単ではありません。 そこで、近年注目を集めているのが、紹介予定派遣です。紹介予定派遣を活用すると、企業は派遣期間を通じて業務パフォーマンスやカルチャーフィットを確認したうえで、正式採用を判断できます。今回は、紹介予定派遣の概要や企業側のメリット、導入時のポイントを解説します。

紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣は、人材派遣と人材紹介を組み合わせた人材サービスで、派遣期間後に派遣先企業と候補者(派遣スタッフ)が、直接雇用契約を結ぶことが前提となっています。派遣期間が選考期間として機能するため、候補者のスキルや適性をじっくり判断し、ミスマッチや早期退職の防止に役立つでしょう。

人材派遣と紹介予定派遣の違い


通常の人材派遣と紹介予定派遣の大きな違いは、「派遣期間後に派遣先企業で直接雇用することを前提としているかどうか」です。

人材派遣は業務委託の形態で、派遣スタッフは派遣元企業と雇用契約を結び、派遣先企業で就業します。派遣先企業と直接雇用契約を結ぶわけではないため、就業前の書類選考や面接はできません。また、同じ派遣先企業で働けるのは、原則として最長3年と定められています。

一方、紹介予定派遣の場合は人材派遣といっても人材紹介に近い形であり、派遣期間後に派遣先企業で直接雇用することが前提となっています。そのため、就業前の書類選考や面接が認められており、事前審査の段階で派遣を断ることも可能です。

紹介予定派遣の派遣期間は最長6ヶ月と定められていますが、派遣期間内でも派遣先企業と派遣スタッフの双方の合意があれば、直接雇用に切り替えることができます。

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紹介予定派遣を活用する流れ

初めて紹介予定派遣を利用する場合は、流れがわからず不安に思うかもしれません。ここでは、紹介予定派遣を利用して、候補者が入社するまでの流れをご紹介します。

1. 募集要項と労働条件の作成


どのような人物を採用したいか、スキルや経験などの条件を洗い出し、募集要項を作成します。労働時間や休日、賃金といった労働条件も合わせて作成しましょう。作成した募集要項と労働条件を提示し、派遣会社に紹介予定派遣を依頼します。

紹介予定派遣では直接雇用を前提としているため、派遣前に書類選考や面接、筆記試験などの実施が可能です。依頼前に伝えられるよう、選考フローについてもあらかじめ検討することが必要です。

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2. 派遣会社との契約と候補者の選定


依頼後、派遣会社では募集要項に沿って候補者を選定し、履歴書や職務経歴書などの情報を提供します。それをもとに書類選考や面接を実施し、合否判定をおこないましょう。

面接や筆記試験を通して、複数の候補者のなかから、派遣してもらう人材を選考することも可能です。

3. 派遣就業開始と正式採用の可否判断


事前の書類選考や面接などを経て候補者を絞り込んだら、実際に派遣スタッフとして就業を開始してもらいます。紹介予定派遣の派遣期間は最長で6ヶ月のため、期間内に正式採用の可否を判断しましょう。

なお、正式採用には派遣先企業と候補者双方の合意が必要となり、候補者から辞退される可能性もあります。

4. 採用決定と入社


正式採用を決定し、候補者も入社の意向を示した場合、入社となります。候補者と直接雇用契約を結び、入社の手続きをおこないましょう。

なお、紹介予定派遣の場合、派遣期間後の正式採用後に、試用期間を設けることはできません。

紹介予定派遣の企業側のメリット

紹介予定派遣は、採用の効率化やコスト削減など、企業にとって多くのメリットがあります。

採用の効率化


紹介予定派遣では、派遣期間が実質的な試用期間として機能します。採用プロセス中でも即戦力として従事してもらうことができ、なおかつ書類選考や面接だけではわからない候補者のスキルや意欲を、現場で直接評価できます。実務を通じて職場適性を確認できるため、採用後のミスマッチや早期退職のリスクを低減でき、選考精度が向上するでしょう。

また、採用に関わる広告費や、採用説明会の開催費といったコストの削減にもつながります。

カルチャーフィットの確認


紹介予定派遣は、派遣期間を通じて社風にフィットした人材を選定できます。派遣期間中に、候補者が同僚や上司と良好なコミュニケーションをとれるか、社風になじめるかを確認でき、長期的な戦力となる人材を確実に見極められるでしょう。

なかなか伝わりづらい社内の雰囲気を、候補者に直接感じ取ってもらえることもメリットです。

内部コストの軽減


紹介予定派遣であっても、派遣期間中は契約、給与計算、社会保険手続きなどの労務管理は派遣会社が対応するため、企業側の負担が軽減できます。

さらに、派遣会社が候補者の問い合わせ対応や面接日程の調整をするため、企業側ではおこなう必要がありません。派遣会社が候補者となる人材を集めてくれるため、求人広告を作成する手間や費用なども削減が可能です。

人材確保と選択肢の拡大


紹介予定派遣は、単なる採用手段を超えて、戦略的な人材確保と活用を実現する有効な選択肢です。公募する場合、採用要件に合った人物からの応募があるとは限りません。企業のニーズに合った人材をピンポイントで募集できる点は、紹介予定派遣のメリットです。

また、未経験者を採用する場合も、最長6ヶ月という派遣期間の中で、候補者のポテンシャルを判断できます。通常の選考過程では採用できなかったような人材でも、実際の業務の中で今後の成長性が見極められるため、採用の選択肢を広げられるでしょう。

紹介予定派遣を導入する際のポイント

紹介予定派遣を成功させるには、適切な派遣会社の選定や評価体制の構築など、事前の準備とスムーズな運用がポイントになります。導入時に重視すべき項目を解説します。

派遣会社の適切な選定


派遣会社の選定は、紹介予定派遣の成功を左右する重要なステップです。企業のニーズに合致する業者を選ぶために、類似業界や職種での成功事例があるかといった実績の確認は必須でしょう。また、特定分野に強みを持つ派遣会社を選ぶことで、適切な候補者を見つけやすくなります。

候補者との調整や派遣期間中のフォローアップ体制、契約内容(派遣期間、紹介手数料など)のほか、保証制度についても事前に精査しましょう。

適切な評価体制の構築


紹介予定派遣では、最長6ヶ月の派遣期間中に、候補者を正確に評価するための体制を整えておかなければなりません。業務スキル、業績、コミュニケーション能力、カルチャーフィットなど、具体的な評価指標を事前に設計する必要があります。

派遣期間中は候補者と定期的に面談し、進捗状況や改善点を確認することも重要です。派遣会社とも連携し、適切にフィードバックしながら直接雇用に向けて適切に評価しましょう。

候補者への情報共有とサポート


候補者が能力を最大限発揮できるよう、情報共有やサポートをすることも紹介予定派遣を導入する際のポイントです。企業の方針や期待する成果をしっかり伝えておき、必要に応じてスキル向上のためのトレーニングやフォローアップができる体制を整備しましょう。候補者が職場環境にスムーズになじめるよう、同僚や上司とのコミュニケーションを支援することも必要です。

紹介予定派遣は、優良な人材を確保する手段のひとつ

紹介予定派遣は、採用効率化や人材のミスマッチ防止など、多くのメリットを企業にもたらす雇用形態です。実務を通じてスキルや適性の評価ができ、採用コストの削減や内部コストの軽減など、多方面でメリットがあります。

企業の採用活動における柔軟な選択肢として注目されている紹介予定派遣を戦略的に活用することで、適材適所の人材配置を実現し、長期的な企業の成長につなげることができるでしょう。

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