契約更新・終了時編:つい口にしてしまいがちなNG発言3選

派遣の契約更新時期には、派遣会社が間に入り、派遣スタッフと派遣先に意向を確認します。双方から更新の意向確認を受けたのち、契約更新の手続きを進めますが、この時派遣先と派遣スタッフ間にて行われるやりとりが、トラブルになることもあります。そこで今回は、派遣の契約更新・終了時にやってしまいがちな派遣先のNG発言例をNGな理由とあわせてご紹介します。
契約更新・終了時に派遣先が口にしてしまいがちなNG発言
契約更新・終了時のNG発言例:1

発言者の意図
・業務遂行に満足していることを伝え、気持ちよく契約を続けてもらいたい
・できるだけ長く活躍してもらいたい
派遣スタッフの気持ち

業務に対して満足いただけているのはうれしい。今後も自分が終了を申し出ない限り、契約は続くということね
NGな理由
派遣スタッフの雇用契約は派遣会社と派遣スタッフとの間で締結するものであるため、派遣先がスタッフの雇用を保証するような発言はNGです。とくに、派遣先理由による契約終了が発生した場合トラブルになることがあります。
契約更新・終了時のNG発言例:2

発言者の意図
・就業開始以来、やりとりがうまくいっていないことに課題を感じていた
・しばらくサポートするなど様子をみてみたが改善されないため、今回の契約をもって終了とさせてもらおう
派遣スタッフの気持ち

今までサポートをしてはもらえたが、とくに注意を受けたり要望を言われたりすることはなかった。何がダメだったのだろう…
NGな理由
派遣契約に関する終了告知を、派遣先から派遣スタッフに直接伝えることはNGです。契約の終了や更新については、派遣スタッフの雇用主である派遣会社から伝えます。派遣契約は、派遣先と派遣会社間で行う契約となるため、派遣先と派遣スタッフとの間に契約関係はないという点に留意しましょう。
また、派遣スタッフが派遣先からの指揮命令に対して、適切な業務遂行がなされていないと感じたときには、まずは派遣先から注意指導を行い、それでも改善されない場合は派遣会社に相談するようにしましょう。相談があれば、スムーズな業務遂行のために派遣スタッフ側で改善できる点がないか、双方で協力できることはないか、調整できることがあるかもしれません。派遣会社も定期的に派遣スタッフの就業状況についてヒアリングを行うため、派遣スタッフの日々の業務に関して気になることがあれば伝えるようにしましょう。
契約更新・終了時のNG発言例:3

発言者の意図
・派遣スタッフの働きぶりを評価していることを伝えたい
NGな理由
派遣先が派遣スタッフの給与について言及することはできません。なぜなら、派遣スタッフの時給を決定するのは雇用主である派遣会社であるからです。派遣先が直接スタッフに給与について言及してしまうと、「雇用主は派遣先」と誤解を招く恐れがあるため注意が必要です。
また、派遣先が派遣会社に支払う派遣料金と派遣会社が派遣スタッフに支払う給与は異なります。派遣スタッフの賃金が変更されると、保険料や有給休暇などの費用負担も変わり、派遣会社がその点も加味して派遣料金を決定するためです。派遣料金の変更額をそのまま派遣スタッフに伝えてしまうと、誤解が生じてしまう恐れもあります。
派遣スタッフの働きぶりを評価していることを伝えたい場合は、「いつもありがとう」「助かっています」などの言葉をかけ、就業評価については派遣会社に直接伝えるようにしましょう。
派遣料金については以下の記事も参考にしてください。
【リーガルQ&A】派遣スタッフの時給が100円上がったら、派遣料金も100円あがるの?
契約更新・終了をスムーズに行うためには
派遣契約の更新・終了時は、派遣先・派遣会社と派遣スタッフの間でトラブルが起きやすいタイミングです。スムーズに進めるためには、派遣会社と派遣先の役割を明確にしておきましょう。
派遣スタッフも、自身の契約に関して、つい就業先である派遣先に誤って相談したり質問したりしてしまうことがあります。しかし、派遣スタッフと雇用関係にあるのは派遣会社であるため、何か質問を受けたときは「派遣会社に確認してください」または、「派遣会社に確認しますね」と答えるとトラブルを回避できます。
とくに、以下に関することについては、直接派遣スタッフとのやり取りすることは避け、派遣会社を通じて調整を進めるようにしましょう。
・給与に関すること
・契約期間に関すること
・就業時間や曜日、休日に関すること
・就業部署に関すること
・業務内容に関すること
・契約更新に関すること
派遣契約の更新・終了に関して、なにか分からないことがあれば、リクルートスタッフィングの担当者まで気軽に相談ください。