【事例紹介】うつ病患者の就業|業務依頼する際のポイントや企業での活躍事例

2023.01.24

【事例紹介】うつ病患者の就業|業務依頼する際のポイントや企業での活躍事例

うつ病の発症原因は解明されておらず、だれでもうつ病にかかる可能性があります。うつ病と真剣に向き合い、うまく付き合いながら、働き続けたいと望んでいる方は多くいます。そこで今回は、うつ病の概要や業務依頼のポイントを紹介します。実際に働かれている方の事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

うつ病とは

うつ病は、気分障がいの一つですが、一言で説明するのはたいへん難しい病気です。一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。ただし、その病態は多様で、症状の現れ方や重症度、病型など、さまざまな特徴があります。

うつ病発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、精神的ストレスや身体的ストレスなどにより脳がうまく働かなくなっている状態で、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じているものと考えられています。

気分障がいには、うつ病の他に、うつ病との鑑別が必要な双極性障がい(躁うつ病)などがあります。うつ病ではうつ状態だけがみられますが、双極性障がいはうつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気です。

うつ病にかかる割合

日本では、100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験しているという調査結果があります。また、女性の方が男性よりも1.6倍くらい多いことが知られています。女性では、ライフステージに応じて、妊娠や出産、更年期と関連の深いうつ状態やうつ病などに注意が必要となります。

参考
厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」

うつ病患者に業務を依頼する際のポイント

うつ病の方は、納期が厳しい業務や人前での発表など、心理的プレッシャーのかかることが苦手な傾向にあります。また、要望や相談があっても周囲に遠慮してしまい⾔い出せないことがあります。

そのため、納期が厳しくない仕事や業務量の調整の相談ができる仕事を依頼するようにするとよいでしょう。また、相談先を明確にし、何かあったら話せるような環境づくりを心がけることが大切です。

うつ病患者の活用事例

リクルートグループが運営する障がい者向け人材紹介事業アビリティスタッフィングをとおして就業されたうつ病の方の事例を紹介いたします。
※年齢は取材時のときのものです

サイトセキュリティ管理部門(26歳・男性)

食品工場で障がいをクローズにしてアルバイトをしていたAさん。体調面が整ってきた時期から転職活動をはじめた際に、障がいをオープンにして働くという選択肢があることを知りました。

<現在のお仕事>
就職した会社では、サイトセキュリティ管理として、インターネットで投稿情報の審査をされています。一日あたりの目標件数も無理のない範囲で設定されており、徐々にステップアップができるようにしていただいているとのこと。病気をオープンにして働いているため、それに対する配慮があり、周囲は質問しやすい雰囲気を意識的に作ってくれています。

人事部(32歳・女性)

病気になってから、マイナスな気持ちでいることが多かったというBさん。転職活動は、障がいをオープンにする・クローズにする、両方で行っていました。結果的に、障がいをオープンにして働き始めた現在は、周囲が状況を理解しサポートしてくれるため、前向きな気持ちで働くことができています。病気のことや、体調の悪かった時のことも普通に話すことができているそうです。

<現在のお仕事>
忙しい部署に正式配属され、「もっと働きたい」という気持ちがあるものの、主治医と相談しながら、焦らずステップアップしていきたいとのことです。

自動車関連業管理本部(35歳・男性)

退職後は3年間の療養をしていたCさん。ブランクがあったため、病気をオープンにして就職活動をしようと考えられました。一度お断りされたものの、アビリティスタッフィングの担当者の方の支えで開き直る事ができ、笑顔で堂々と面接を受けた結果、内定を決めました。

<現在のお仕事>
担当エリア内での販売の仕事をサポートする業務で、おもにパソコンでの文章作成や表計算ソフトでのデータ作成を担当されています。再度、病気が重くならないか心配はあるものの、就職先の方々のサポートもあり、今までに病気でつらい思いをしたことはほとんどないとのこと。仕事をすることで自分対して自信が持てるようになってきたそうです。

医薬品・医療メーカー(43歳・男性)

前職で発症後、3年間療養している間に、社労士の資格を取得されたDさん。勉強を行ったことが自信になり、仕事への意欲が徐々に湧いた為、就職活動を開始。「障がいを隠さずに働きたい。」と思ったことと、時間的な配慮があったり相談に乗ってもらえたりできる環境だと思い、障がい者雇用枠で働くことを決めました。

<アビリティスタッフィングの業務サポートセンターで働きながら転職活動>
ブランクがあった為、仕事をしていた頃の感覚を取り戻したいという気持ちもあり、アビリティスタッフィングの「雇用型支援モデル」、業務サポートセンターで働きながら就活をされました。就活をしながらの業務は大変さがあったものの、「無遅刻・無欠勤で出勤すること」を具体的な目標としてかかげ、目標を達成することができたことで、大きな自信につながりました。

最終的には以前行っていた経理の業務で、責任のある仕事をやっていきたいと考えているDさん。昨年独学で簿記2級も取得され、今後もこの目標の為に、自分自身を成長させたいということです。

障がい者人材をお探しの企業の方へ

アビリティスタッフィングには、障がいと真剣に向き合いながら働き続けたいと考えている方が多く登録されています。それぞれの特性や希望に合わせてお仕事のマッチングをいたします。 障がいの特性、また一人ひとりの特性を知ったうえで、やりがいを感じられる職場環境を作っていきましょう。

リクルートグループが運営する障がい者向け人材紹介事業アビリティスタッフィング

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