派遣に関してどのような点に関心や疑問を抱いているのか、派遣先企業の方々に協力をいただき、アンケート調査を行いました。派遣の依頼フローは、人事から一括で行ったり、現場ごとに行ったり、それぞれの企業で異なりますが、派遣に関する関心ごとも役職によって、また依頼回数によって異なるようです。

■アンケート概要
＜調査概要＞
調査目的：派遣スタッフの活用について派遣先の実態を把握することにより、今後のサービス改善や人材活用について考える
調査対象：一部地域を除く全国の男女（派遣利用経験ある企業の現場担当者/人事・労務担当者）n= 2146
調査期間：2021年8月30日～9月15日
調査方法：メールにて回答依頼、WEB回答

引継ぎ期間は1ヶ月以内が多数

派遣スタッフの業務の引継ぎにどのくらいの時間を要しているのか、聞きました。

Q1：派遣スタッフの業務の引継ぎ期間はどのくらいですか？

派遣スタッフの業務の引継ぎ期間は、2～4週間の回答が35％と最も高く、次いで1～2週間の20％となりました。4週間以内の割合は68%となり、1か月以内での完了の設定をされる企業が多いことがわかりました。
また、「引継ぎはない」、「状況による（引継ぎ無しの場合もあり）／フリー回答」といった回答もありました。前任の急な退職や、後任の人選状況などに応じて変更せざるを得ない事態もあるようです。

引継ぎは派遣スタッフから派遣スタッフへおこなうが67％

派遣スタッフの業務の引継ぎは誰におこなうか聞きました。

Q2：前任の派遣スタッフから誰に業務を引継ぐことが多いですか？

引き継ぎは、「後任の派遣スタッフへ」されるケースが67％と高い傾向にありました。また引継ぎ期間と引継ぎ先の関係性は以下のようになりました。

派遣スタッフへの引継ぎでは「2～4週間」が43.3％と最も多かったのに対し、同業務を行う社員への引継ぎについては、「引継ぎはない」が一番多い結果となりました。

派遣スタッフから派遣スタッフへの引継ぎ時は十分な期間をとるのに対し、派遣スタッフが行う業務を熟知している社員への業務移行であれば、引継ぎなしや2週間以内など短い期間でも対応ができるということが考えられます。

マニュアルの更新や業務整理で引継ぎをスムーズに

引継ぎをスムーズに進めるためにおこなっていることを聞きました。

Q3：引継ぎをスムーズに行うため工夫をしていることはありますか？

引継ぎをスムーズに行うために工夫していることとしては、「マニュアルを最新の状態にしておく」が31％と最も高く、次いで「フォローできる社員を明確にしておく」が28%となりました。工夫できることは複数行っている企業も多いようです。

Q4: 引継ぎのタイミングで次の派遣スタッフに依頼する業務内容を変えることはありますか？

引継ぎのタイミングにおける業務内容の変更は、「場合によって変えている」が68％と高く、引継ぎのタイミングで業務の洗い出し、担当の見直しなどを適宜おこなわれる企業が多いようです。

「前の方はここまでしてくれたのに」など、前任スタッフと比較されることで後任スタッフのモチベーション低下を起こすこともあります。派遣スタッフに求めるスキルや経験を改めて検討することで人選難易度の調整がされ、スムーズな後任手配にもつながります。

まとめ

多くの派遣先企業の方が、引継ぎ期間を長くとられ、また引継ぎをスムーズに行うためにさまざまな工夫をされていることが分かりました。
リクルートスタッフィングでは引継ぎ準備として以下のことを推奨しております。

• 現在の業務を把握し、マニュアルは日ごろから更新しておく
• 必要に応じて前任に引継ぎ書にまとめてもらう
• 長期化している派遣スタッフは業務が属人化していないか確認する
• まとまった有休消化希望などがある場合は、日数を把握し引継ぎ期間に影響がないタイミングで取得してもらうよう相談す

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そのほか、引継ぎについて悩まれることがありましたら、リクルートスタッフィングの担当者までご相談ください。

◇参考

リクルートスタッフィングでは、引継ぎ2週間のケースにおける、後任スタッフの職場見学から契約意向確認のモデルスケジュールを以下のようにおいております。

派遣先企業の都合や依頼業務によって必ずしも以下のように進めるわけではありませんが、ひとつの目安として参考になさってください。

引継ぎ2週間のモデルスケジュール

路川千晴

株式会社リクルートスタッフィング
総合戦略推進部　総合戦略企画G　マネジャー

2006年に株式会社リクルートスタッフィング入社。新規開拓・リテール～大手アカウント営業を経験し、プロフェッショナル領域や時短・日短勤務など多様な働き方の推進や総合的な営業企画を担当。2020年より現職。

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＜調査概要＞
調査目的：派遣先企業が派遣に関して気になることを把握することにより、今後のサービス改善や人材活用について考える
調査対象：一部地域を除く全国の派遣受け入れ経験ある企業の現場担当者/人事・労務担当者 1079人
調査期間：2021年10月18日～11月15日
調査方法：Eメールにて回答依頼

アンケート結果のポイント

・人事やご自身で直接派遣依頼発行う現場担当者は就業マネジメントへの関心が高く、自身で発注を行わない現場担当者は派遣依頼への関心が高い

・発注回数に限らず、安定就業に向けた就業マネジメントの方法への関心が高い

・職場見学においては、確認しておくことと同時に、聞いてはいけないことや気を付ける表現にも関心が高い

・派遣スタッフの就業マネジメントに関しては、フォロー・フィードバック方法を気にしている方が多い

・同一労働同一賃金に関して、賃金の設定方法や派遣スタッフへの教育訓練への関心が高い

・紹介予定派遣／業務委託について、法的な留意点について関心が高い

アンケート結果

派遣に関して気になることを教えてください（役職別／依頼回数別）。

人事やご自身で直接派遣依頼発行う現場担当者は就業マネジメントへの関心が高く、派遣の依頼は人事をとおして行う発注を行わない現場担当者は派遣依頼への関心が高いようです。

発注回数が５回以上になると、派遣契約への関心は薄れますが、その他の点に関しては、派遣依頼回数による大きな差はないようです。全体的に、安定就業に向けての就業マネジメントの方法などへの関心が高くみられ、「長期就業を希望しているが、短期で契約終了になってしまうこと」などのコメントもありました。また、「その他」に関しては、派遣法や法改正について興味も寄せられました。

派遣依頼について気になることを教えてください。

派遣依頼については業務内容への関心が高めですが、時期や紹介難易度など全般的に興味があるようです。また、「営業から人選担当者への引継ぎがどのように行われているのか？」といった発注者から現場管理者への情報伝達についての方法や、「社会環境などの影響か、時間外就業できる派遣スタッフが減少傾向にあるように感じる」など、環境変化に伴う派遣スタッフ側の働き方希望の変化などを捉えた声もあげられました。さらに、「派遣スタッフのPCスキルをどの程度要求してよいのかわからない（価格とのバランス等）」など、派遣料金と依頼難易度とのバランスについての声も寄せられました。

職場見学について気になることを教えてください。

職場見学においては、確認しておくことと同時に、聞いてはいけないことや気を付ける表現にも関心が寄せられました。また、「個人情報に関することやPC操作方法の確認をどのように、どこまで行うのが適切か」といった具体的な悩みも聞かれました。

派遣契約について気になることを教えてください。

派遣契約に関しては、契約の流れといった全体的な内容に加え、「その他」のコメントのなかで、「法改正」「スタッフマネジメントにおける責務範囲」などにも関心が寄せられました。

派遣スタッフの就業マネジメントについて気になることを教えてください。

派遣スタッフの就業マネジメントに関しては、フォロー・フィードバック方法を気にしている方が多くみられました。また、「コロナや震災などの災害発生時の対応」など、緊急時の対応についても興味が寄せられました。

派遣における同一労働同一賃金について気になることを教えてください。

同一労働同一賃金に関しては、賃金の設定方法や派遣スタッフへの教育訓練への関心が高いようです。また、その他のコメントでは、「派遣スタッフの担当業務の設定方法」など、業務と賃金設定ルールなどにも関心が寄せられました。

紹介予定派遣／業務委託について気になることを教えてください。

紹介予定派遣／業務委託については、法的な留意点について関心が高くみられました。

まとめ

派遣依頼は初めての方はもちろん、何度も依頼をされている方でも、派遣依頼や派遣スタッフのフォロー・マネジメント、同一労働同一賃金に関しては不安な点やあいまいな点があることが今回の調査で分かりました。今回のアンケートを参考にさせていただき、よりよい派遣活用につながるサービス・情報の提供に努めて参りたいと思います。