よくある派遣スタッフ同士のトラブル。派遣先がすべき対応は?

社内や同組織内に複数の派遣スタッフが就業している場合、派遣スタッフ同士でトラブルが生じる場合があります。派遣会社で注意すべきこともありますが、派遣先におけるマネジメントの工夫で回避できることもあります。よくあるトラブル事例と注意ポイントをご紹介します。
引継ぎ時のトラブル

引継ぎする側

引継ぎされる側
職場見学で説明されたやり方と少し違う気がする…これが実務なんだろうけど、忙しそうだし聞きづらいな
派遣先の対応POINT
引継ぎは、する方もされるほうもストレスを感じることがあります。とくに派遣スタッフは就業期間が決まっているため、前任スタッフの業務過多になる懸念もあります。そのため、派遣スタッフの業務の引継ぎは、<前任スタッフから社員へ、社員から新任スタッフへ>と、なるべく社員をとおしておこなうとよいでしょう。それにより、引継ぎのタイミングで業務確認や整理ができ、業務のブラックボックス化を防ぐこともできます。その際、業務遂行上、やりにくい点はなかったかなども確認すると、後任派遣スタッフのマネジメントにも役立ちます。
指導時のトラブル

指導する側

指導される側
指揮命令者は社員の方のはずだけど、指導を受けるのは先輩スタッフ?
派遣先の対応POINT
引継ぎと同様、派遣スタッフの指導を派遣スタッフに任せるのも避けたほうがよいでしょう。派遣スタッフにはそれぞれ指揮命令者を定めることが必須ですが、派遣スタッフが派遣スタッフを指導することになれば、指導される側の指揮命令系統があいまいになります。もし、一部でも派遣スタッフのフォローや指導をほかの派遣スタッフに依頼するのであれば、契約内容にもその旨を記載する必要があります。
時給や契約内容に関するトラブル

この間、みんなで時給の話になったけど、同じ仕事をしているはずなのに違うのはなんでだろう?
派遣先の対応POINT
派遣スタッフ同士の会話で、それぞれの契約内容が共有されることがあります。基本的に契約に関しての話は、派遣スタッフの雇用主である派遣会社から派遣スタッフにすることです。時給に関して派遣スタッフから相談や質問があった場合、「時給については、私たち派遣先ではなく派遣会社が決めているので、派遣会社に相談してください」と伝えましょう。異なる理由などを派遣先から説明してしまうとトラブルに発展しかねません。
派遣スタッフ同士のグループ化

すでに派遣スタッフでいくつかグループができてしまっているみたい。ランチや休憩時間、輪に入りづらいな…
派遣先の対応POINT
派遣スタッフが多く就業していたり派遣スタッフの入れ替えが頻繁であったりする職場の場合、新しく就業した派遣スタッフが輪に入りにくいということが起きがちです。また、複数の派遣会社からスタッフが派遣されている場合は、派遣会社ごとにグループができやすく、派遣スタッフ間のトラブルに発展することもあります。「派遣スタッフ同士のことだから」と任せきりにせず、業務外の場でも孤立しているスタッフがいないか気を配るようにしましょう。
派遣スタッフ間での業務の偏り

私だけほかの派遣スタッフより業務が少ない気がする。スキルが足りないということかな…
派遣先の対応POINT
たとえば、各営業部に営業アシスタントとしてひとりずつ派遣スタッフが就業している場合など、派遣スタッフの契約内容は同じでも担当する業務に偏りが出ることがあります。また、同部署・同ポジションで複数の派遣スタッフが就業している場合、依頼業務に偏りがでる場合があります。「私だけ残業が多い」「隣の派遣スタッフは忙しそうなのに、私は依頼業務が少ない」といった状況は、派遣スタッフの不満や不安につながりやすくなります。たとえば、派遣スタッフに業務を依頼する場合は、社員から個別にではなく、マネージャーをとおしておこなうなど、業務内容や量に偏りが生じないよう調整をしましょう。
まとめ
派遣スタッフ同士のトラブルを防ぐポイントは、引継ぎや指導を派遣スタッフに任せきりにしないことです。一時的・臨時的な人材活用である派遣は就業期間が短いことが多く、「職場になじめるだろうか」と不安を抱えながら就業初日を迎えるスタッフも多くいます。派遣スタッフ一人ひとりをメンバーのひとりとして扱うことが大切です。
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