職場見学の事前準備と職場見学で派遣スタッフに伝えること

2023.03.28

職場見学の事前準備と職場見学で派遣スタッフに伝えること

派遣スタッフの希望によって派遣就労開始前におこなわれる職場見学は、採用面接とは異なります。しかし、その主旨を理解していない参加者がいると、業務内容や職場環境について伝えもれがあったり、面接行為と捉えられる発言をしてしまったりすることがあります。とくに初めて職場見学に参加する社員がいる場合や、人事が参加せず現場担当者のみでおこなう場合には、事前準備をしっかりおこない、派遣先企業から派遣スタッフに伝えるべきこと、発言してはならないことを確認しておきましょう。

職場見学の目的

職場見学は、派遣就労開始前に派遣スタッフの希望によっておこなわれるものです。就労場所や業務内容などの詳細について確認をおこなうために設定され、事前の業務打合せ、または仕事を受けるか否かを派遣スタッフ自身が判断することを目的としています。

職場見学の流れ

職場見学の所要時間は30分〜1時間程度が一般的で派遣会社の進行により、以下のような流れでおこないます。昨今では、オンラインで行うケースも増えています。

1.派遣先が依頼する業務内容・その他業務に関連する項目の説明
2.派遣スタッフから派遣先への質問
3.派遣先から派遣スタッフへの質問

職場見学当日の流れについては、こちらの記事をご覧ください。
職場見学の流れと注意すべきポイント|派遣活用の6STEP②職場見学

職場見学で派遣先企業から派遣スタッフに伝えること

職場見学では、まず派遣先企業から依頼する業務内容・その他業務に関連する項目の説明を行います。職場見学に、派遣先責任者のみが参加し、人事や、実際に一緒に働く予定の社員が参加できない場合は、事前にヒアリングを行うなどして、説明できようにしておきましょう。以下の項目は最低限伝えたい情報です。

業務内容・必要スキル

職場見学は業務の確認をする場です。派遣スタッフが対応可能かどうか判断できるよう、依頼する業務について詳しく説明します。業務で実際に使用するシステムやツール、資料があれば見せながら、使用頻度、作業内容、処理件数、かかる時間などを説明するとより具体的に伝わります。

また、業務で関わることになる人や部署も伝えておきましょう。社外の人や顧客とのやりとりがある場合は、電話対応やメールでのやりとりといったコミュニケーション方法とあわせて説明しておきます。

可能であれば一緒に仕事をおこなう予定の社員に参加してもらいましょう。責任者のみの職場見学時に、細かな頻度やOAレベルなどの説明に苦慮するケースがあります。参加が難しい場合は、一日の流れや処理量などを事前にまとめてもらうなどの準備をしておきます。

職場環境

「仕事内容の詳細だけでなく、職場や一緒に働く人の雰囲気を確認しておきたい」という理由から職場見学を望む派遣スタッフも多くいます。とはいえ、職場見学の時間は限られており、またオンラインで行う場合には伝えきれない情報もあるでしょう。そのため、職場環境や部署外の情報について、以下のような項目を確認しておきましょう。

 ・部署内、事業所全体の年齢構成や男女比など
 ・ほかの派遣スタッフの就業状況
 ・派遣スタッフが利用できる福利厚生や研修について
 ・業務外や任意参加の社内行事、派遣スタッフの参加率など

とくに、ほかの派遣スタッフの就業状況については、よく確認される点でもあるため、他部署の状況も把握しておくとよいでしょう。また、食堂や休憩スペース利用時のルール、参加必須な研修なども派遣スタッフが事前に確認しておきたいポイントです。

残業について

残業は月の目安時間以外に、時期による波も伝えましょう。また、「残業ができない場合、翌日の朝早めに来て対応することは可能か」といった点も質問されることがあるため、出勤可能な時間も確認しておくとスムーズです。

その他

派遣会社からも伝えますが、会社規定の休日のほか、任意参加の業務外イベント、休憩時間の過ごし方など、社風が伝わるようなことを伝えておくと働くイメージがより湧き安心できます。

職場見学での注意点

職場見学は面接行為ではありません。派遣先による質問は、職場見学の趣旨にかんがみ、必要な業務能力を明確に説明したうえで、それに該当するか否かを確認する目的の範囲内の事項に限るようにしましょう。とくに以下の点は、特定行為(派遣先企業が派遣スタッフを指名する)を回避するためにも、十分に気をつけておこないましょう。

・派遣先企業、派遣会社、派遣スタッフの3者で実施する
・派遣予定のポスト1名につき、参加する派遣スタッフは1名のみ
・プライバシーに関するような質問はNG

「特定行為」について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
【知っておきたいリーガル知識】派遣労働者を特定する行為の禁止

以下のように派遣先企業が派遣スタッフに就業意思を確認するような発言は、選考と受け取られる可能性があるため、職場見学で発言してはいけません。

「あなたに決めました。お願いしようと思います。」
「○月○日から働けますか?」
「ほかの候補者にも会って検討します。」

職場見学に慣れていない方が複数名参加される際は、事前に職場見学の目的や注意点を周知しておきましょう。

職場見学で注意したい発言については以下の記事も参考にしてください。
【派遣のNG集】職場見学編:つい口にしてしまいがちなNG発言5選

まとめ

「職場見学は業務確認の場と聞いていたのに面接のようだった」「実際に業務を開始したら聞いていないことばかりだった」という声が派遣スタッフから聞かれることがあります。派遣スタッフに安心して就業してもらうためにも、職場見学の目的や主旨を参加者全員が理解し、伝える情報に不足がないよう準備しましょう。

職場見学時のチェックシート


派遣スタッフの引継ぎがスムーズに行われるよう、派遣先が確認しておくとよいポイントをまとめました。ぜひご活用ください。

職場見学については以下の記事も参考にしてください。
【リーガルQ&A】職場見学は2名同時にできる?
【リーガルQ&A】職場見学に親会社の社員が参加してもよい?
【リーガルQ&A】職場見学を英語でしてもいい?
【リーガルQ&A】職場見学に派遣会社の担当者は同席しないといけないの?
【リーガルQ&A】職場見学にもアイスブレイクは必要?
【派遣スタッフのホンネ】職場見学の場で確認できてよかったこと
【派遣スタッフのホンネ】職場見学はオンラインがいい?対面がいい?
【派遣のNG集】職場見学編:つい口にしてしまいがちなNG発言5選
職場見学の流れと注意すべきポイント|派遣活用の6STEP②職場見学

派遣のご依頼はこちら お問い合わせはこちら